2016 Fiscal Year Research-status Report
肺非結核性抗酸菌症におけるPD-1陽性消耗性T細胞の動態解明と新規治療法の開発
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16K19440
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三橋 善哉 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70754513)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非結核性抗酸菌症 / PD-1 陽性T細胞 / 免疫疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ヒト肺M. avium症患者におけるPD-1陽性消耗T細胞の解析 本年度は、健常者およびヒト肺M. avium症患者の血液より、末梢血単核球(PBMC)を分離し、凍結保存し、後日融解し、生細胞を安定的にフローサイトメトリーの解析ができるよう、PBMCの凍結保存法を先ずセットアップした。各種細胞保存液を試行した結果、凍結保存&融解後にも生存率や表面マーカーが凍結前と変化しない細胞保存液を選択することができた。現在、本方法にて、健常者およびヒト肺M. avium症患者PBMC検体をストックしており、目標検体数が集まり次第、PD-1陽性T細胞の解析を進める予定である。今回、凍結保存によるPBMC検体保存ができるようになったことから、PD-1以外のマーカーについても解析を進める予定である。同時に、ヒト肺M. avium症患者より分離された、M. avium株についてVNTRによる遺伝子型の解析を既報にある方法で実施している。 (2) マウス肺M. aviumモデルにおけるPD-1陽性消耗エフェクターT細胞の解析 本年度は進行形M. avium株または安定型M. aviumによる感染モデルの安定的な作成のための予備実験を進めた。菌量の調整をすることにより、比較的長期に生存し、且つ、慢性炎症が惹起されるモデルを安定型では作成することができた。現在、進行形M. avium株における検討を継続しており、調整ができ次第、PD-1陽性T細胞の解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト検体については、十分な検体が集まりあり、また凍結保存法も安定した方法を開発することができたので、今後、PD-1 陽性T細胞以外の細胞、表面マーカーについても解析が可能な状態になっており、今後の研究の発展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト検体については、凍結保存検体のフローサイトメトリーによる解析を進めていく。マウス実験については菌量の調整ができ次第、進行形M. avium株または安定型M. aviumによるモデルによる解析を進める。
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Causes of Carryover |
本年度は臨床検体を回収、保存につとめることとしたため、実際の解析にかかる部分の費用が、次年度に持ち越されることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、フローサイトメトリーによる解析をヒト、マウス検体で進めていくほか、ヒト患者およびマウスモデルにおいてPD-1陽性消耗T細胞の出現・上昇が確認された場合、マウス感染モデル(感染8週後)にmTOR阻害薬を投与によるPD-1陽性老化T細胞の減少効果、および感染病態の改善効果の解析も行う予定である。そのために持ち越された費用を使用する。
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