2016 Fiscal Year Research-status Report
生体由来気管スキャフォールドとiPS細胞を用いた気管再生技術の研究開発
Project/Area Number |
16K19446
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
周 ケイリョウ 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10770232)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マウスiPS細胞 / 気管スキャフォールド / 気管再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脱細胞したラット気管スキャフォールドに、気道上皮細胞および軟骨細胞へと分化させたiPS細胞を生着させ、ヌードラットに移植を行い、気管再生への基盤となる技術開発研究を行う。 まず、ラット気管を既報の洗浄剤―酵素処置法で細胞成分を完全に除去し、ラット気管スキャフォールドを作成した。次にラット気管スキャフォールドに効率的な細胞生着法を検討した。その結果、オリジナルの遠心法を用いて各種細胞(線維芽細胞BLKCL4、マウス肺胞上皮細胞MLE-12、ラット気管上皮細胞EGV-4T、マウスiPS細胞)を円筒状の3次元構造物である気管スキャフォールドへ効率よく均一に生着させることに成功した。未分化iPS細胞を気管スキャフォールドに移植して内胚葉へ分化させる方法と内胚葉へ分化したiPS細胞を気管スキャフォールドに移植する方法を確認したところ、内胚葉へ分化したiPS細胞を気管スキャフォールドに移植する方法がより多くの内胚葉マーカーSOX-17の発現が確認された。そしてラットへの気管挿管持続吸入麻酔下での気管移植の実験手技を確認した。内胚葉へ分化させたマウスiPS細胞を生着させたラット気管スキャフォールドをヌードラッドに移植し、最長約5週間飼育した。組織染色で検討したところ、未分化iPS細胞のクローニー状増殖と軟骨欠失による気管狭窄が移植後死亡の死因と推測される。 今後、iPS細胞の気管上皮細胞への分化プロトコ-ルの改良が必要と考えられるが、かなり時間がかかると想定されるため、まずラット気管上皮細胞株と初代培養のラット軟骨細胞を用いて気管スキャフォールドへの生着と再生した気管のラットへの気管移植する方法を確立したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPS細胞の分化やヌードラットへの気管移植実験に時間がかかったが、おおむね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、iPS細胞の分化プロトコ-ルの改良が必要と考えられる。iPS細胞から効率的な気管上皮細胞と軟骨細胞への分化が難航であれば、まずラット気管上皮細胞株と初代培養のラット軟骨細胞を用いて気管スキャフォールドへの生着と再生した気管のラットへの気管移植する方法を確立したい。
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