2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K19473
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
内藤 圭祐 産業医科大学, 医学部, 修練指導医 (80739475)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺非結核性抗酸菌症 / 16S ribosomalRNA / 混合感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肺非結核性抗酸菌(NTM)症疑いの患者の肺の病変部から採取した気管支洗浄液を用いて、分子生物学的手法により抗酸菌および一般細菌の細菌叢解析を行い、抗酸菌の細菌叢解析と培養法の結果を比較検討することである。また肺NTM症患者の気道・肺病変の形成および進展と予後、罹病期間、抗酸菌治療歴、画像所見等との関連性を検討することとしている。 28年度は40例の症例の細菌叢解析を行う予定だったが、55例の解析をすることが出来た。また、55例のうち52例(94.5%)で細菌叢解析でNTMが検出できた。また気管支洗浄液の培養では同定不能であった症例も2例あり、細菌叢解析法では2例とも菌種が推定できた。さらに、通常の培養法では複数のNTMが検出された症例は1例のみだったが、細菌叢解析法では7例確認できた。 我々は単独のNTMのみ検出された45例と複数のNTMが検出された7例で治療を要した割合や治療が導入された症例での治療の効果や胸部CTの推移を検討し、複数のNTMが検出されることが予後に影響するかどうかの検討を行っている最中である。CT評価に関しては呼吸器内科の医師2名でそれぞれ対象患者の胸部CTをmodified bhalla CT scoring systemを利用し点数化し、平均を出し、評価する予定である。 一方で気管支洗浄液の培養でNTMが陽性にならず診断がつかなかった症例についても細菌叢解析を行う予定である。細菌叢解析が陽性になり、後に肺NTM症の診断がつく症例があれば、細菌叢解析を行うことで早期診断につながる可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は肺NTM症を疑い気管支鏡検査を行い、細菌叢解析の解析を40例行う予定だったが、28年度には55例の解析を行うことが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在細菌叢解析が終了した55例のうちNTMが検出した52例をは単独のNTMのみ検出された群と複数のNTMが検出された群の2群に分け、治療を要した割合や、治療が導入された症例での治療の効果や胸部CTの推移を検討し、複数のNTMが検出されることが予後に影響するかどうかの検討を行っており、その解析を継続する。 また、気管支洗浄液の培養でNTMが陽性にならず診断がつかなかった症例についても細菌叢解析を行う予定である。細菌叢解析が陽性になり、後に肺NTM症の診断がつく症例があれば、細菌叢解析を行うことで早期診断につながる可能性が示唆される。
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Causes of Carryover |
細菌叢解析を行う際に手技的な問題や採取した気管支洗浄液などの状態によって塩基配列がうまくよめないことがあり、その際はやり直さなければいけないのでさらに試薬が必要になるが、平成28年度は技術的にも検体も安定しており、やり直さなければいけない検体が少なかった。また、平成28年度は本研究に対する学会発表などは行っておらず、旅費は使用しなかった。平成29年度は学会などで発表が決まっており、旅費に関しても使用予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬の購入、また塩基配列の決定をする際の機械の使用料、各種学会発表の旅費、データを解析するためのソフトなどの購入などを計画している。
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