2017 Fiscal Year Research-status Report
klotho遺伝子を介したオートファジー調節による新規治療法の基礎的研究
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16K19491
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
島村 芳子 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (20554679)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | αKlotho / 慢性腎臓病 / 加齢 / 急性腎障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢での腎機能低下のメカニズムとして、klothoの発現低下、オートファジーの低下、ミトコンドリア機能低下、繊維化がいわれているが機序は不明な点が多く、平成29年度もそれらについて下記を検討、学会報告した。 AKIの腎機能予後に関与する因子としてIL-1ファミリーに属するサイトカイン群であり、炎症・免疫作用を司っているIL-36のAKIへの影響をAKI患者尿と腎生検検体で検討した。結果、AKIにおいてIL-36α, γは好中球、遠位尿細管において発現亢進、AKI患者尿ではIL-36αが増加し新規バイオマーカーになる可能性が示唆された。 AKIにおけるミトコンドリア機能異常の検討として酸化ストレスを調節するThioredoxin interacting protein (TXNIP)の機能を継続的に検討している。TXNIP欠損マウスと野性型マウスでの検討において、WT のAKIの腎において、TXNIPの発現は近位尿細管で発現亢進し24時間後の血清Cr、腎組織障害、TUNEL陽性細胞数はTXNIP-KOで優位に増加、TXNIP-KOでは近位尿細管細胞のミトコンドリアの膨化・変形がおこり、ミトコンドリアでの膜電位、ATP産生量、酸素消費量、ならびにPGC1α,ATP5aの発現が低下していた。一方、培養尿細管細胞でTXNIPをsiRNAで抑制すると酸化ストレスによるinflammasomeの活性化は抑制された。よって、AKIでは尿細管細胞においてTXNIPが発現誘導され、ミトコンドリア機能を調整し、TXNIP-KO ではAKIの予後が悪化することを報告した。 αKlothoについては、CKD患者において血清遊離型αKlothoが心機能障害の予測マーカーとなる可能性が示唆されることを学会報告しており、今後論文作成予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H29年1月から10月まで産前産後休業・育児休業を取得したことから、その準備段階より当該研究の進行は一旦中断していた。よって、当初の研究実施計画より実施進行は遅れている。しかし、現在すでに当該研究を再開しており、再開後の実施計画は当初予定を一部変更しつつ進行予定であり、H29年度の未使用分の予算も使用する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢での腎機能低下のメカニズムとして、klothoの発現低下、オートファジーの低下、ミトコンドリア機能低下、繊維化がいわれているが機序は不明な点が多く、平成28年度はそれらについてIL36R・TXNIP・PNUTS等、H29年度もそれら検討を継続発展させている。また心機能マーカーとαKlothoとの関連の検討を継続しており、成30年度以降もそれら研究をさらに発展させる。 今後はGFP-LC3-TGマウスおよびKlotho-TGマウスのdouble TGマウスを作成し、急性腎障害での腎予後とオートファジーをLC3-GFPで観察されるAutophagozomeとの局在を共焦点顕微鏡で観察する。高齢マウスでオートファジーが低下する事、およびklothoの発現が低下する事が予想されるが、double TGマウスとcontorolマウスを高齢と若年マウスで比較する事により、加齢によるオートファジーの低下のklothoの発現がどの程度関与しているかを検討する。 臨床的にCKD患者で急性腎障害を併発した患者尿でのKlotho値を含めた早期バイオマーカーを検索すると共に、尿沈渣内の尿細管細胞を単離し、新規の技術であるsingle cellからのReal-time PCR法により再生・オートファジーのマーカーとしてのLC-3の遺伝子発現を定量的に検出する方法を検討する。また急性腎障害の腎生検検体でオートファジー/マイトファジー検出も試みる。 研究組織としては、申請者に加え、腎障害時の分子生物学的機構を今まで研究してきた学生・大学院生、実験助手と共に、研究室責任者である寺田典生の指導のもとに行う。
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Causes of Carryover |
H29年1月から10月まで産前産後休業・育児休業を取得したことから、その準備段階より当該研究の進行は一旦中断していた。よって、当初の研究実施計画より実施進行は遅れており、またH29年度の予算については未使用分が生じている。現在に当該研究を再開しており、再開後の実施計画は当初予定を一部変更しつつ進行予定であり、H29年度の未使用分の予算も使用する予定である。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Knockout of the interleukin-36 receptor protects against renal ischemia-reperfusion injury by reduction of proinflammatory cytokines2018
Author(s)
Nishikawa H, Taniguchi Y, Matsumoto T, Arima N, Masaki M, Shimamura Y, Inoue K, Horino T, Fujimoto S, Ohko K, Komatsu T, Udaka K, Sano S, Terada Y.
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Journal Title
Kidney Int.
Volume: 93
Pages: 599-614
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Incidence of acute kidney injury among patients with chronic kidney disease: a single-center retrospective database analysis.2017
Author(s)
Hatakeyama Y, Horino T, Kataoka H, Matsumoto T, Ode K, Shimamura Y, Ogata K, Inoue K, Taniguchi Y, Terada Y, Okuhara Y.
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Journal Title
Clin Exp Nephrol.
Volume: 21
Pages: 43-48
DOI
Peer Reviewed
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