2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cytotoxicity of chromatin from macrophages in rhabdomyolysis-induced acute kidney injury
Project/Area Number |
16K19497
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大久保 光修 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (60749125)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 横紋筋融解症 / 急性腎障害 / 白血球細胞外トラップ / Mac-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは横紋筋融解症において筋細胞中より循環血漿へ流入した大量のヘム蛋白が腎臓においてマクロファージを活性化し、細胞外へのクロマチン線維放出(Leukocyte extracellular traps, ETs)を促すことによって腎毒性に寄与する、という仮説を検証した。初年度の実績として、病態責任細胞が好中球ではなくマクロファージであること、マクロファージ活性化とそれに続くETs放出は細胞表面に発現するインテグリン蛋白の一つMac-1に依存していること、ETsが横紋筋融解症において腎障害性を持つこと、グリセロール投与による横紋筋融解症惹起性腎不全においてin vivoにおけるETsのマーカー(血中dsDNA濃度)が上昇することを見出した。最終年度においては、Mac-1のcounter partとして血小板が重要な役割を持つこと、ヘムが直接的に血小板を活性化させること(過去にはiron dependent platelet activationとして報告されている)、活性化した血小板がMac-1を介してマクロファージによるETs放出を促進させることを見出した。また申請者らの研究室で新規に同定した生体内のETs抑制物質ラクトフェリンが、横紋筋融解症惹起性腎不全に対し抑制的に作用することを見出した。さらに血中dsDNA濃度の上昇はヒトの横紋筋融解症惹起性腎不全においても上昇していることを見出し、マウスと同様のメカニズムがヒトにおいても存在することが示唆された。以上の研究実績により見出された横紋筋融解症における急性腎障害発生の新たなメカニズムは、今後腎障害の新たな治療ターゲットとして有用となる可能性がある。
|