2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of inflammasomes in innate immunity of neuromyelitis optica
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16K19505
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐治 越爾 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00706418)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 視神経脊髄炎 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系炎症性疾患である視神経脊髄炎 (neuromyelitis optica; NMO) は、アストロサイトに発現するアクアポリン4 (aquaporin 4; AQP4) 水チャネルが標的となり、アストロサイト障害に引き続き二次性脱髄病変を形成する疾患である。NMO患者血清中にAQP4抗体が発見されて以降、NMOは、髄鞘を標的とする多発性硬化症 (multiple sclerosis; MS) とは分離独立する疾患と捉えられるようになっている。NMOにおいてAQP4抗体が最も重要な標的分子であるが、この自己抗体の存在のみでは発症には不十分であると考えられている。T細胞に加え、単球やマクロファージ、ミクログリアなどの自然免疫細胞の活性化がNMOの病態に深く関与していることが示唆されている。しかし、その病態機序は十分に解明されていない。そこで本研究では「NMOの病態における自然免疫機構」について解明することを目的として研究を行った。 平成28年度は病理学的評価および凍結組織を用いたRNA発現解析を行った。NMO剖検脊髄急性期病変には、T細胞の浸潤に加え、マクロファージの浸潤および活性化したミクログリア、好中球、好酸球を含む顆粒球の浸潤の存在を認めた。活動性病変を含むNMO剖検凍結組織ではインフラマソーム関連分子のmRNA発現が亢進していることを確認した。 平成29年度(本年度)は、NMOおよび健常者の血液中のリンパ球を分離し、RNAを抽出してインフラマソーム関連分子を含む免疫分子を解析した。NMOでリンパ球亜分画においてIFNγに加え、インフラマソーム関連分子の発現が亢進していた。 以上より、病変局所だけではなく血液中のリンパ球においてもインフラマソームの活性化が存在しており、NMOの病態に自然免疫機構が関与していることが示唆される。
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