2016 Fiscal Year Research-status Report
In vitroモデルによる自己免疫性中枢・末梢神経疾患の炎症細胞浸潤機構の解明
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16K19513
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
竹下 幸男 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (70749829)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Blood-brain barrier / Blood-nerve barrier / migration |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では①生理的流速負荷のできるBBB、BNBモデルの構築②自己免疫性神経症疾患患者の血清、末梢血単核球細胞(PBMC)を用いたmigration assay、フローサイトメトリー法による膜外移行した免疫細胞のphenotyping解析とELISA法を用いたサイトカイン、ケモカインの発現プロフィール解析③患者血清を用いた血管内皮細胞での接着因子の発現比較、バリア機能の評価、サイトカイン、ケモカインの発現プロフィール解析の3つの研究計画を平成28,29年の二年間で行う計画である。 まず、当研究室では世界に先駆けての高度に細胞特性を保持したヒト由来BBB構成不死化細胞株(血管内皮細胞株:EC、ペリサイト株:PCT、アストロサイト株:AST)の樹立と、炎症細胞浸潤の解析が可能な流速負荷型EC/AST共培養in vitro BBB モデルの開発に成功し、ASTがECのバリア機能や炎症細胞浸潤を調節していることを報告した(Y. Sano, et al., J Cell Physiol 2010, H. Haruki, et al., J Neurol Sci 2013, F. Shimizu, et al., Neurobiol Aging 2013, Y. Takeshita, , et al., J Neurosci Methods 2014)。 つぎに、樹立したEC株とAST株を用いた炎症細胞浸潤の解析が可能な流速負荷型EC/AST共培養in vitro BBB モデルを作製し、代表的な自己免疫性神経症疾患である視神経脊髄炎患者からのIgGをこのモデルに作用させたところ、ASTからIL-6の分泌が促進され、内皮細胞においてケモカインCCL2,CXCL8が分泌され、PBMCの中枢神経内への流入を促進することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で最も重要である上記に述べた生理的流速負荷型in vitro BBB modelの作製については、予定通り完成することができ、上記に述べた一連の解析手法についても視神経脊髄炎患者の血清を用いた解析を行うことで確立することができた。現在は主要なBBB構成細胞株である血管内皮細胞株、ペリサイト株、アストロサイト株の3種によるマルチ培養モデルの作製を行っており、他疾患の血清を用いたmigration解析を予定通り進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で述べた通り、研究計画は予定通り進んでいるため、引き続き視神経脊髄炎以外の疾患の患者検体を用いた解析を進める。また、理想的なBBBモデルを確立するために主要なBBB構成細胞株である血管内皮細胞株、ペリサイト株、アストロサイト株の3種によるマルチ培養モデルの作製を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Effects of neuromyelitis optica-IgG at the blood-brain barrier in vitro.2016
Author(s)
Takeshita Y, Obermeier B, Cotleur AC, Spampinato SF, Shimizu F, Yamamoto E, Sano Y, Kryzer TJ, Lennon VA, Kanda T, Ransohoff RM.
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Journal Title
Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm
Volume: 4
Pages: e311
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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