2016 Fiscal Year Research-status Report
TTRアミロイドーシス発症・進展の鍵を握るイオンチャネル障害の解析
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16K19516
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三隅 洋平 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (80625781)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アミロイド / イオンチャネル / 横細管 / トランスサイレチン / カルシウムチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
【1】トランスサイレチン(TTR)アミロイド沈着と心筋イオンチャネルに関する病理学的解析 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の心臓剖検組織を用いてTTRおよび細胞外マトリックスのマーカーであるラミニン抗体を用いた蛍光免疫組織化学染色を行い、TTRアミロイドが心筋横細管管に局在することを確認した。アミロイド沈着量の異なる多数例での検討により、アミロイド沈着の早期から横細管内のアミロイド沈着が起こり、横細管の形態が正常コントロールと比較すると大きく変化することが明らかなった。また、L型カルシウムイオンチャネルマーカーおよびリアノジン受容体マーカーを用いた蛍光免疫組織化学染色を行い、アミロイドが沈着した心筋においては、L型カルシウムイオンチャネルが有意に減少していることが明らかとなった。 【2】TTRアミロイド沈着と心筋イオンチャネルに関する機能的解析 FAPにおいて最も高頻度にみられる変異型であるVal30Met型のTTR、野生型TTR、断片化TTRを用いて、in vitroでアミロイドおよび非アミロイド性TTR凝集体を作成し、ラット由来心筋初代培養細胞およびラット心臓横紋筋由来細胞株に添加し、細胞形態の観察、蛍光カルシウムイオンプローブ(Fluo4)を用いた細胞内カルシウム濃度測定を行った。各種TTRアミロイド、非アミロイド性凝集体添加により明らかな細胞形態の変化は観察されなかったが、細胞内カルシウム濃度の変化が減少する傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【1】トランスサイレチン(TTR)アミロイド沈着と心筋イオンチャネルに関する病理学的解析 多数例のFAP剖検例を用いた病理学的解析により、TTRアミロイド沈着の程度とカルシウムチャネルを中心に心筋イオンチャネルの量や形態的な変化の関連が明らかにすることができたため。また、さらに詳細な検討を行うため、電子顕微鏡用サンプルが作成でき、順次解析を進めている状況である。 【2】TTRアミロイド沈着と心筋イオンチャネルに関する機能的解析 機能的解析を行うための、ラット心筋初代培養を確立し、蛍光カルシウムイオンプローブを用いた評価系を得ることができ、in vitroで作成した各種TTRアミロイド、非アミロイド性TTR凝集体の効果を確認することができた。TTRの凝集形態の際による、カルシウムイオンチャネル障害効果の差異を解析するため、さらに詳細な実験条件の検討を進めている。さらに細胞培養系でのTTR沈着形態と、FAP病理組織におけるアミロイド沈着形態の異同についても解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
【1】TTRアミロイド沈着と心筋イオンチャネルに関する病理学的解析 蛍光免疫染色でTTRアミロイド沈着により有意な減少が認められたL型カルシウムイオンチャネルについては、電子顕微鏡観察により更に詳細な病理学的な解析を行う。TTRアミロイドーシス患者およびコントロール剖検患者の凍結剖検心筋組織をホモジナイズして、TTRアミロイド沈着量と心筋イオンチャネルの量的関係を各種抗体を用いたウエスタンブロッティング法、ELISA法により解析する。 【2】TTRアミロイド沈着と心筋イオンチャネルに関する機能的解析 横細管およびイオンチャネルの変化と心不全症候、心電図所見(房室ブロック、四肢誘導における低電位など)、心臓超音波所見、血漿中の脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)などの心不全マーカーなど、臨床病態との関連を解析する。
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Causes of Carryover |
次年度に行う細胞培養実験、各種イオンチャネル抗体を用いた共焦点顕微鏡解析、電子顕微鏡解析に使用する物品の購入を一部次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞培養実験試薬、各種イオンチャネル抗体および共焦点顕微鏡関連試薬、電子顕微鏡関連試薬の購入予定している。
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[Journal Article] Clinicopathological and biochemical findings of thyroid amyloid in hereditary transthyretin amyloidosis with and without liver transplantation.2017
Author(s)
Huang G, Ueda M, Tasaki M, Yamashita T, Misumi Y, Masuda T, Suenaga G, Inoue Y, Kinoshita Y, Matsumoto S, Mizukami M, Tsuda Y, Nomura T, Obayashi K, Ando Y
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Journal Title
Amyloid
Volume: 13
Pages: 1-6
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Involvement of Macrophages in the Pathogenesis of Familial Amyloid Polyneuropathy and Efficacy of Human iPS Cell-Derived Macrophages in Its Treatment.2016
Author(s)
Suenaga G, Ikeda T, Komohara Y, Takamatsu K, Kakuma T, Tasaki M, Misumi Y, Ueda M, Ito T, Senju S, Ando Y.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 11
Pages: e0163944
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Knee osteoarthritis associated with different kinds of amyloid deposits and the impact of aging on type of amyloid.2016
Author(s)
Yanagisawa A, Ueda M, Sueyoshi T, Nakamura E, Tasaki M, Suenaga G, Motokawa H, Toyoshima R, Kinoshita Y, Misumi Y, Yamashita T, Sakaguchi M, Westermark P, Mizuta H, Ando Y.
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Journal Title
Amyloid
Volume: 23
Pages: 26-32
DOI
Peer Reviewed
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