2018 Fiscal Year Annual Research Report
Free fatty acids-mediated dynamic changes of neutrophils induce adipose tissue inflammation
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16K19532
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邉 康春 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 客員准教授 (80646307)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 好中球 / 脂肪細胞 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、脂肪細胞の遊離脂肪酸産生増加によりLeukotriene B4(LTB4)依存的に好中球が内臓脂肪組織(Visceral Adipose Tissue: VAT)に浸潤し、脂肪細胞との接触性の相互作用によって、NF-kappa B経路を介してIL-1 betaの発現を増加することを見出した。また、好中球と脂肪細胞の相互作用はマクロファージの遊走因子S100-Calcium-Binding Protein A8(S100A8)の発現を増加することが分かった。そこで平成30年度は好中球のIL-1 beta産生機序の解析と、好中球のS100A8の誘導機序の解析を行った。 好中球はインフラマソームの構成成分であるASC、Caspase-1/11依存的にIL-1 betaを産生することが示唆されたが、NLRP3は関与しないことから、NLRP3以外のASC依存性インフラマソームが好中球のIL-1 beta産生に関与することが示唆された。さらに、LTB4の生合成酵素(5-Lox)欠損マウスでは、高脂肪食(HFD)摂餌による好中球のVAT浸潤が軽減し、VATにおけるS100A8の発現が軽減すると共にマクロファージのVAT浸潤も軽減することを確認した。また、3T3-L1脂肪細胞やVATをIL-1 betaで刺激することによりS100A8の発現が増加することがわかった。さらにASC欠損マウスは、HFD摂餌によるIL-1 beta産生が軽減し、S100A8の発現やマクロファージのVAT浸潤も軽減した。 以上から、VATに浸潤した好中球は脂肪細胞との相互作用によりIL-1 betaの発現を増加し、ASC依存性のインフラマソームによって産生されることがわかった。さらにIL-1 betaは脂肪細胞に作用してS100A8の発現を誘導し、マクロファージのVAT浸潤に関与することが示唆された。
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