2016 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンスを用いた、若年発症糖尿病多発家系における発症原因遺伝子同定
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16K19534
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 大祐 京都大学, 医学研究科, 助教 (50582904)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 次世代シーケンス / 家族性若年糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年発症者(30歳以下)を有する糖尿病家系につき、協力の得られた家系構成員のゲノムDNAを用い、次世代シーケンサーにて全エクソンシーケンスを網羅的に行い、罹患者に共通し家系内非罹患者に存在しないエクソン変異を糖尿病発症原因候補として絞り込む作業を行った。 4名につきインスリン分泌能がほぼ枯渇(空腹時血清C-ペプチド<0.5ng/ml)していた特徴的な1家系につき、既知遺伝子変異のないことを確認し、罹患者4名、家系内非罹患者2名の全エクソンシーケンスを行った。そして、罹患者に共通し、非罹患者に存在せず、データベース(1000 genomes, Human Genetic Variation Database)の一般人口における頻度が低く(<1%)、タンパク機能に変化を及ぼすことが予想される16変異を絞り込んだ。16変異につき、協力研究者から検体提供を得た2,102名の一般対照者および119名の一般糖尿病患者においてジェノタイピングした結果、糖尿病患者において有意に高頻度であったのは1変異のみであり、家系の糖尿病発症原因と考えられた。これにつき現在英文誌論文投稿中(被査読中)である。 さらに、若年発症者(30歳以下)を有する糖尿病家系についての全エクソンシーケンス解析を継続しており、肥満歴を有しない12家系発端者につきまず優先し全エクソンシーケンス解析を開始した。2017年度に結果を解析する予定である。 一方、家系解析の過程で、1家系につき、既知遺伝子(HNF1B)の未報告変異が糖尿病発症に関与する可能性が極めて高いことが明らかとなり、これについても現在英文誌投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発症原因候補遺伝子の絞り込みにつき、予定通り効率よく行っており、すでに論文発表の前段階に達しており、順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
解析対象の家系数を増やすことで、さらに糖尿病発症の遺伝的背景解明を目指す。
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Research Products
(1 results)