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2016 Fiscal Year Research-status Report

動脈硬化での炎症の遷延におけるインフラマソームの役割の解明

Research Project

Project/Area Number 16K19544
Research InstitutionJichi Medical University

Principal Investigator

唐澤 直義  自治医科大学, 医学部, 助教 (60631893)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords炎症 / 動脈硬化 / 細胞死 / インフラマソーム
Outline of Annual Research Achievements

動脈硬化の病態において炎症が関与することは以前からよく知られているが,なぜ炎症が慢性的に持続して収束しないのかは,いまだ明らかではない.カスパーゼ-1の活性化を介して炎症性サイトカインであるIL-1βの産生を制御する分子複合体であるNLRP3インフラマソームはコレステロール結晶や飽和脂肪酸などの危険シグナルにより活性化され,炎症の初期応答において重要な役割を果たすことが知られる.申請者はインフラマソームの活性化が,「二次性の危険シグナル」を生成することで再び炎症を惹起するのではないかと考え、「持続的なインフラマソームの活性化ループ」が炎症を遷延させるという仮説に至った.そこで,本研究ではインフラマソームが動脈硬化での炎症の遷延と収束過程において果たす役割の解明を目指し研究を行っている.
具体的には,タモキシフェン誘導型インフラマソーム構成遺伝子ノックアウトマウスを作製し,動脈硬化形成後に遺伝子欠損を誘導することで,動脈硬化における炎症が収束するかについて検討している. 現在までにタモキシフェン誘導型カスパーゼ-1欠損マウスを作製し,タモキシフェン投与により,骨髄細胞におけるカスパーゼ-1が欠損することをタンパク質レベルで確認している.さらに, このマウスと動脈硬化モデルマウスであるApoe欠損マウスを掛け合わせたモデルを作成しており,これを用いてインフラマソームが炎症の遷延過程において果たす役割を解析する予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

動物モデルの解析について,当初の予定ではタモキシフェン誘導型NLRP3ノックアウトマウスを作製し,解析する予定であったが,作勢済みであったNLRP3floxマウスにおいてはタモキシフェン投与による遺伝子欠損が引き起こせなかったために,予備の計画として進めていたカスパーゼ-1floxマウスを用いた誘導型カスパーゼ-1欠損マウスを作製した.このマウスについてはタモキシフェンの投与により遺伝子の欠損が確認できていることから,遺伝子欠損の誘導が動脈硬化の形成に及ぼす影響について検討を進めている.細胞レベルの検討については解析に必要なドキシサイクリン誘導性に恒常活性化型NLRP3 (D303N変異体)と橙色蛍光タンパク質を発現するインフラマソーム活性化誘導細胞を当初の予定通りに樹立できており,今後,インフラマソーム活性化レポーター細胞を利用した共培養実験を検討している.

Strategy for Future Research Activity

作製した誘導型カスパーゼ-1欠損マウスと動脈硬化モデルマウスを掛け合わせたモデルを作製することで,動脈硬化形成後にカスパーゼ-1欠損を誘導し,動脈硬化における炎症が収束するかについて明らかにする. 具体的には雄性マウスに対し,8週間高コレステロール食を負荷し,動脈硬化形成を誘導する.超音波イメージングシステムにより,この時点での動脈硬化形成について評価を行った後,対照群と,タモキシフェン投与によるカスパーゼ-1欠損誘導群を作製する.この2群に継続して高コレステロール食負荷を4週間行ない,大動脈弓における動脈硬化病変を超音波イメージングにより, 経時的に追跡する. 食餌負荷終了後は動脈硬化の病変面積,炎症細胞のプロファイルについて組織学的解析やフローサイトメトリーにより評価を行うことで,炎症の収束,病変の退縮について評価する. また,インフラマソーム活性化により引き起こされるDAMPs形成に着目し,特に病変におけるコレステロール結晶の形成について偏光顕微鏡により評価を行う.また,薬剤誘導型のインフラマソーム欠損モデルにおいて炎症の収束が認められない場合には,その際,残存している炎症活性化シグナルを同定することで,炎症の遷延機序を明らかにする.これらの解析により動脈硬化における炎症の遷延と収束過程におけるインフラマソームの役割を明らかにする予定である.

  • Research Products

    (5 results)

All 2017 2016

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Role of NLRP3 Inflammasomes in Atherosclerosis2017

    • Author(s)
      Karasawa, T.,Takahashi, M
    • Journal Title

      Journal of atherosclerosis and thrombosis

      Volume: 24 Pages: 443-451

    • DOI

      10.5551/jat.RV17001

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Caspase-1 Deficiency Promotes High-Fat Diet-Induced Adipose Tissue Inflammation and the Development of Obesity.2016

    • Author(s)
      Kimura, H., Karasawa, T., Usui, F., et al.
    • Journal Title

      American journal of physiology. Endocrinology and metabolism

      Volume: 311 Pages: 881-890

    • DOI

      10.1152/ajpendo.00174.2016

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] NLRP3 Deficiency Reduces Macrophage Interleukin-10 Production and Enhances the Susceptibility to Doxorubicin-induced Cardiotoxicity.2016

    • Author(s)
      Kobayashi, M., Usui, F., Karasawa, T., et al
    • Journal Title

      Scientific reports

      Volume: 26489 Pages: -

    • DOI

      10.1038/srep26489.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 飽和脂肪酸によるインフラマソーム活性化機構の解析2016

    • Author(s)
      唐澤 直義, 臼井 文武, 川島 晃, 木村 博昭, 高橋 将文
    • Organizer
      第48回日本動脈硬化学会 学術集会
    • Place of Presentation
      京王プラザホテル(東京)
    • Year and Date
      2016-07-15
  • [Presentation] 脂肪酸結晶によるNLRP3インフラマソームを介した炎症惹起機構の解析2016

    • Author(s)
      唐澤 直義, 臼井 文武, 川島 晃, 木村 博昭, 高橋 将文
    • Organizer
      第37回日本炎症・再生医学会
    • Place of Presentation
      京都市勧業館みやこめっせ(京都)
    • Year and Date
      2016-06-16

URL: 

Published: 2018-01-16  

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