2017 Fiscal Year Research-status Report
血管・脂肪組織由来分泌因子Favineの脂肪蓄積作用機序の解明と新たな機能探索
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16K19554
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 祥子 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (80649111)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脂質 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は血管内皮から分泌される新規因子としてFavineを同定した。Favineは血管と脂肪組織で高発現し、脂肪細胞分化促進作用および脂肪組織と肝臓の脂肪蓄積促進作用を有することが明らかとなったが、血管における機能は不明であった。 脂肪細胞分化促進・脂肪合成促進作用のメカニズムの解明に関しては、前年度に引き続きFavine組み換え蛋白質変異体の作製を進めた。脂肪細胞におけるFavine発現抑制実験のためレンチウイルスを用いた系の構築を試みたが、ウイルス感染効率が低く、系の確立に難渋した。血管に対するFavineの作用解析のため、動脈硬化モデルマウスであるApoE ノックアウト(KO)マウスとFavine KOマウスの交配によって得たダブルノックアウトマウス(Favine/ApoE ダブルKOマウス)にWestern diet負荷を行い、動脈硬化を誘導した。Western diet負荷期間による動脈硬化進展の程度を知るため、併行してApoE単独ノックアウトマウスを用いた条件検討を行った。動脈硬化病変の評価のため、Favine/ApoE ダブルKOマウス大動脈のオイルレッドO染色、血管のRNA抽出を開始した。血管由来の各種培養細胞に対してレンチウイルスを用いたFavine過剰発現または発現抑制系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血管における解析を中心に予定通り進めることができた。組織特異的KOマウスの作製の開始を見送っている点に関しては、進行がやや遅れているが、本年度の研究結果は、Favineの新たな作用解明の一助となるものであり、本研究は順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Favine/ApoE ダブルKOマウスの血管機能の評価を引き続き行う。組織特異的KOマウスを構築し、Favine産生責任臓器およびFavineの作用標的臓器を明らかにする。新たな機能探索のため肝臓における作用を解析する。Favine受容体を同定する。
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