2017 Fiscal Year Annual Research Report
Functions of dendritic cell subsets in graft versus host diseases
Project/Area Number |
16K19585
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
福田 有里 和歌山県立医科大学, 医学部, 特別研究員 (40770847)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / サブセット / 遺伝子改変マウス / 移植片対宿主病 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞や骨髄細胞など造血細胞の移植は、血液系の悪性腫瘍や再生不良性貧血の治療の一つとして非常に有効であるが、移植片由来の免疫担当細胞、特に細胞傷害性T細胞が宿主組織を攻撃することによって生じる移植片対宿主病(GVHD)が大きな問題となる。樹状細胞は抗原提示細胞として様々な免疫制御機構に関与しているが、GVHDにおける役割についてはまだわかっていないことが多い。本研究では、抗原提示細胞である樹状細胞、特に、近年明らかになってきた、細胞傷害性T細胞の活性化に重要な樹状細胞サブセット(XCR1+DC)に焦点をあて、GVHD発症のメカニズムを解析している。まず、GVHDのモデルとして、C57BL/6の遺伝的背景を持つ野生型マウスの骨髄細胞、脾細胞を、放射線照射した、B6C3F1の遺伝的背景を持つ野生型マウスに移入することにより、50-150日で半分以上のマウスが死亡するような実験系を確立した。次に、C57BL/6の遺伝的背景を持ち、XCR1+DCを恒常的に欠失するマウス(XCR1-DTAマウス)から骨髄細胞、脾細胞を調整し、放射線照射した、B6C3F1の遺伝的背景を持つ野生型マウスに移入したところ、生存率の改善が認められた。この結果から、ドナー由来のXCR1+DCがGVHDの病態に関与していることが示唆された。また、XCR1はヒトの樹状細胞にも発現されており、マウスと同様の役割を果たしている可能性が高い。抗ヒトXCR1抗体を産生する3種類のハイブリドーマから、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域をコードする遺伝子をPCRにより増幅し、さらに定常領域をコードする遺伝子と融合させ、人工の抗ヒトXCR1抗体を得ることができた。
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