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2016 Fiscal Year Research-status Report

RANKL発現滑膜線維芽細胞に着目した新たな関節リウマチ治療戦略開発への挑戦

Research Project

Project/Area Number 16K19595
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

松尾 祐介  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00761206)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
KeywordsRANKL / 滑膜線維芽細胞 / 関節リウマチ
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、関節リウマチの病態において病原性エフェクター分子の一つであるRANKL(receptor activator of NF-κB ligand)を高発現する病的な滑膜線維芽細胞と、発現の乏しい滑膜線維芽細胞の両者が存在するという仮説に基づき、その細胞群間の差異からエフェクター分子または転写因子を同定し、新規治療標的候補を探索することを目的とする。そのため、滑膜線維芽細胞の中でも、RANKLを高発現する滑膜線維芽細胞群と、RANKLの発現が乏しい滑膜線維芽細胞群が存在するか否かを調べた。
まず、関節リウマチのマウスモデルであるⅡ型コラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)やⅡ型コラーゲン誘導性関節炎(CIA)を誘導した。各々の関節を回収し、非脱灰凍結切片を作成した。酵素抗体法や蛍光抗体法による免疫化学組織染色を用いて、RANKLの発現を調べた。しかし、抗体濃度、抗原の賦活化、ブロッキング、抗体希釈液の条件検討を試みるも、現時点でRANKLの発現を認めることができず、さらなる検討を要する状態であった。バックアッププランとして、新たにⅡ型コラーゲン誘導性関節炎(CIA)を誘導し、滑膜組織のパラフィン切片を作成した。酵素抗体法による免疫化学組織染色を施行したところ、増多した紡錘形の滑膜線維芽細胞様の細胞において、RANKLの発現が乏しい細胞群と高発現する細胞群の存在を認めた。そのため、RANKLを高発現する病的な滑膜線維芽細胞と、RANKLの発現が乏しい滑膜線維芽細胞の両者が存在することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

滑膜組織におけるRANKLの発現を確認するために、まずは一般的に抗原性を失いにくい非脱灰凍結切片における免疫組織化学染色を試みた。関節組織は軟性な滑膜組織と共に硬性な骨組織を含むため、非脱灰凍結切片の作成は困難であり、切片作成に時間を要した。さらに、その凍結切片においてRANKLを検出できず、その条件検討、さらには、関節炎モデルの変更を行い、時間を要した。次に、バックアッププランとして、パラフィン切片における成免疫組織化学染色を試みた、その切片において、RANKLを検出することができたが、改めて月単位で時間を要する関節炎モデルで関節炎を誘導したことや、RANKL検出の条件検討に時間を要した。

Strategy for Future Research Activity

免疫組織化学染色で示唆したRANKLを高発現する滑膜線維芽細胞と発現の乏しい滑膜線維芽細胞の群間における発現分子の相違を調べる。
相違を調べる方法としては、各細胞群をフローサイトメーターでソーティングする。
次に、次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析によりその細胞群間の差異からエフェクター分子または転写因子を同定し、新規治療標的候補を探索する。

Causes of Carryover

上述したように、免疫組織化学染色における仮説の立証に時間を要し、当初本年度に施行を予定していた実験に着手できなかったため、本年度の使用額が少なかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

フローサイトメーターを用いて、関節炎滑膜組織から、RANKL発現の差異のある滑膜線維芽細胞の同定、セルソーティングを試みる。この際、主にマウス、関節炎誘導物質、セルソーターの利用、フローサイトメトリーでの免疫染色用抗体の購入に費用を計上した。次に、その検体を用いて、次世代シークエンサーを用いたトランスクリプトーム解析を計画する。この際、主に次世代シークエンサーの利用、トランスクリプトーム解析関連試薬の購入に費用を計上した。さらに、トランスクリプトーム解析の結果から、臨床応用へ意義のある分子を抽出し、これらの分子や遺伝子の働きを阻害することによる関節炎に対する治療効果を検討する。この際、主に阻害抗体やノックダウン関連試薬の購入に費用を計上した。

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Published: 2018-01-16  

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