2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K19599
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西村 啓佑 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20771497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨髄由来抑制細胞(MDSC) / 関節リウマチ / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
MDSC(myeloid-derived suppressor cell)は単球と好中球の表現型を持つ免疫抑制性の細胞集団である。申請者はMDSCがSKG関節炎マウスにおいて関節炎を抑制することを見出した。マウス骨髄細胞はほとんどがMDSCである。これにGM-CSFを添加すると樹状細胞へと分化する。分化する前のMDSCは免疫抑制的であるが、分化した樹状細胞はT細胞を刺激する炎症性樹状細胞である。従ってMDSCが炎症性樹状細胞に分化しないように制御することは免疫治療につながると考えた。申請者は細胞の代謝制御に注目し様々な代謝制御剤を用いて、下記のことを明らかにした。 a.骨髄MDSCはGM-CSF存在下で培養すると樹状細胞に分化し、T細胞を活性化する。代謝を制御する薬剤を添加して、MDSCから樹状細胞への分化と機能への影響をFACSで検討した。特にmTOR阻害剤とGlutamnine代謝阻害剤に注目して検討した。 b.mTOR阻害剤とGlutamnine代謝阻害剤存在下ではMDSCは樹状細胞への分化が抑制された。GM-CSFで培養後の細胞はT細胞を刺激したが、両者存在下で培養した細胞はT細胞刺激能が落ちていた。この理由としてPD-L1の上昇、TGFの増加などが考えられた。両者を併用すると、相乗効果が認められ、よりMDSCが増えた。さらにmTOR阻害剤とGlutamine代謝阻害剤はT細胞増殖を抑制し、相乗効果を認めた。またmTOR阻害剤とGlutamine代謝阻害剤は、TH17細胞への分化を抑制した。 c.生体内での効果を検討するために、上記2剤を関節炎モデルマウスに投与したところ、単剤でも関節炎抑制効果が認められたが、併用療法で完全に関節炎を抑制した。両者を投与すると脾臓のTH17細胞数を著明に減らした。またGlutamine代謝阻害剤は脾臓におけるMDSCを有意に減少させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
mTOR阻害剤とGlutamine代謝阻害剤がMDSCから樹状細胞への分化を抑制することを明らかにした。さらに両者を関節炎モデルマウスに投与すると関節炎抑制効果を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果からは、代謝阻害剤(調節剤)により免疫病態を改善できることを示している。今後の検討課題は、代謝制御がT細胞を含めた免疫細胞に及ぼす影響を分子レベルで解析すること、膠原病患者での免疫細胞での代謝を解析すること、である。
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[Presentation] THE CLINICAL FEATURES OF 223 BEHCET'S DISEASE PATIENTS IN JAPAN2017
Author(s)
R. Saito, K. Nishimura, H. Mukoyama, Y. Nakamura, T. Nagamoto, K. Akashi, A. Onishi, Y. Kogata, J. Saegusa, A. Morinobu, T. Yokota
Organizer
EULAR Congress 2017 Annual European Congress of Rheumatology
Int'l Joint Research