2016 Fiscal Year Research-status Report
SLE由来T細胞におけるmiR200a-3pを介したIL-2転写制御機構
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16K19602
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
楢崎 真理子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70773018)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / エピジェネティクス / microRNA / インターロイキン2 / miR-200a-3p / ZEB1 / ZEB2 / CtBP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、後天的遺伝子発現修飾要因として注目されるmicro RNAのうち、全身性ループスエリテマトーデス (systemic lupus erythematosus ; SLE)モデルマウス由来T細胞で発現低下を認めたmiR200a-3pが、TargetScanによる予測候補遺伝子として挙げられた抑制性転写因子(ZEB1、ZEB2、CtBP2)の発現亢進を介して、T細胞の分化増殖に必須であるインターロイキン2 (IL-2) の産生低下を惹起している仮説をたて、その病態的意義について検証している。H28年度はmiR-200a-3pの過剰発現による機能実験として以下の結果を得た。①EL-4にmicroRNA mimicを導入しmiR200a-3pの過剰発現系を確立した。②miR-200a-3p過剰発現にてZEB1/2、CtBP2のmRNAレベルでの低下を認めた。③miR-200a-3p過剰発現にてIL-2のmRNA・サイトカインレベル、IL-2プロモータ活性の上昇を定量PCR、ELISA、ルシフェラーゼアッセイで確認した。また、IL-2転写制御についても解析を進めた。上記と同様、EL-4のmiR200a-3pの過剰発現系を使用し、IL-2の転写抑制部位であるnegative regulatory element A (NRE-A)への上記転写因子の結合を検討した。①EL-4のmiR200a-3pの過剰発現系にて、NRE-AへのZEB1、CtBP2の結合低下をゲルシフトアッセイで確認した。②同様の系にて、NRE-AへのZEB1、ZEB2、CtBP2の結合低下をChIPアッセイで確認した。③コントロールマウスと比較し、MRL/lprループスモデルマウス由来CD4陽性T細胞において刺激後にZEB1、CtBP2のNRE-Aからの乖離が障害されていることをChIPアッセイで確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は滞りなく責任研究者によって遂行され、予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒトへのトランスレーショナルリサーチを展開予定である。ヒト患者検体については、初発未治療のSLE患者の末梢血液から、Stemcell社RosetteSep分離試薬でCD4陽性/CD8陽性T細胞に分離し、抽出したtotal RNA及びDNAでライブラリーを作成中である。現在1名/1~2月ペースで検体数を増やしており、十分な検体数を確保後、miR200a-3p発現量と、標的転写因子の発現量について転写レベルでの発現レベルを確認する。また、候補遺伝子及びmiRNAの定量、Human methylation 450 BeadChipを用いたゲノムワイドなメチル化解析を行い、マウスとの差異を検討するほか、病勢との関連及び、臨床パラメーターとの関連について多変量解析を加え検証する。
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Research Products
(3 results)