2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel antigen presentation mechanism in autoimmune diseases and its significance
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16K19609
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹下 勝 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (10571135)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗原提示 / 抗体 / HLA |
Outline of Annual Research Achievements |
HLAとIgGの結合において、全長IgGと断片化IgGでは結合様式が異なることを前年度までに明らかにした。今年度は関節リウマチの患者血清に含まれるリウマチ因子(IgMアイソタイプのIgG-Fc部分に対する抗体)がどの部分を認識するのかを、IgG-Fcの末端部分を欠損したIgGを利用して検討した。その結果、リウマチ因子のほとんどはIgG-Fcの末端部分を認識することが明らかになった。また、全長のIgGがHLAに結合できることから、これまでの様に細胞内で発現させてER/ゴルジ体内で結合させるだけではなく、一旦細胞外に発現させたHLAにIgGが結合できるのかどうかを検討したところ、細胞外においてもIgGはHLAと結合できることが明らかになった。可変領域の配列の異なる複数のIgGで試みても同様の結果であった。さらに、RA以外の抗原に関しても検討するため、シェーグレン症候群関連の抗原(SSA, SSB)および筋炎関連の複数の抗原(Jo-1、MDA5等)をクローニングし、HLAとの結合を検討した。全身性自己免疫疾患における自己抗原は多くが細胞内(核内)タンパクであり、それらの抗原は発現させても細胞内でHLAと会合する機会がないと考えられ、結果も同様に結合は見られなかった。ただし、Jo-1やMDA5にシグナルペプチドを付加して強制的に分泌経路に乗せることで、HLAとの結合が観察された。さらにその複合体に自己抗体も結合できることを確認した。これは血清だけではなく、病変局所からから作成した抗体でも同様であった。生体内ではおそらく細胞内自己抗原が分泌経路に乗ることはないが、IgGが細胞外でHLAに結合したことを合わせて考えると、炎症部位で死んだ細胞から出た細胞内分子が別の細胞のHLAに結合することが十分に考えられ、新たな抗原提示の経路が存在する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)