2016 Fiscal Year Research-status Report
単球亜分画の破骨細胞への分化機構解明と関節リウマチ病態への関与の検討
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16K19610
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
塚本 昌子 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (80570910)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 末梢血単球 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は新しい単球分画である末梢血CD14brightCD16+単球がRA患者の末梢血で増加し、関節リウマチ(RA)の疾患活動性や患者血清中の炎症性サイトカインのレパートリーと相関し、疾患活動性の低下と共に減少することを確認した。この結果から末梢血CD14brightCD16+単球が関節で破骨細胞に分化し、骨破壊を引き起こす可能性を想定した。そこで本研究では他の末梢血単球分画からCD14brightCD16+単球へ分化誘導され破骨細胞へ分化する過程を解明し、骨破壊の抑制を標的とする新規RA治療の確立につなげることを目的とした。 平成28年度は末梢血CD14+CD16-単球からCD14brightCD16+単球に分化し、破骨細胞に分化誘導される過程の解明を行った。 健常人の末梢血からセルソーターを用いてCD14brightCD16-単球を採取した。申請者がRA患者末梢血で増加を確認したサイトカインやRAに関係する過去の文献を参考にし、各種サイトカインにてCD14brightCD16-単球の刺激を行い、サイトカインによる単球上のCD16の発現を確認した。 結果はRA患者末梢血で増加したIL-10刺激でCD16の発現が惹起され、IL-10受容体を介して単球上のCD16が発現することを解明した。 この結果よりRA患者の末梢血CD14brightCD16+単球の増加は、IL-10による可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は末梢血CD14+CD16-単球からCD14brightCD16+単球に分化し、破骨細胞に分化誘導される過程の解明を行うことであった。CD14brightCD16+単球への分化誘導を阻害する物質を同定し、その投与によりin vitroでCD14brightCD16+単球への分化誘導が阻害されることは確認した。破骨細胞への分化抑制については現在研究中であり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
CD14brightCD16+単球、CD14brightCD16-単球の破骨細胞への分化能を確認し、以降は関節炎モデルマウスにおけるヒトの各単球サブセットに相当する単球サブセットの同定を行い、破骨細胞への分化過程を明らかにし、その阻害系をin vitroで確立する。
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Causes of Carryover |
平成28年度が終了した時点における未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。常備品にて研究可能であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は前年度の結果を受け、末梢血単核球を分離するための試薬、フローサイトメーターの維持費、フローサイトメトリーに用いる各種抗体や試薬、マウスの購入費と維持費などに使用する。
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