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2016 Fiscal Year Research-status Report

HIV-1増殖抑制に関与するHIV-1特異的CD4陽性ヘルパーT細胞に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16K19614
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

近田 貴敬  熊本大学, エイズ学研究センター, 研究員 (60749711)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
KeywordsHIV-1特異的CD4T細胞 / オーバーラップドペプチド / Gag領域
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、HIV-1増殖抑制に寄与するHIV-1特異的CD4T細胞を探索し、さらに詳細な機能解析をおこなうことで、HIV-1増殖抑制に結びつく免疫機序を明らかにすることを目的としている。
我々はこれまでに、394人の無治療慢性日本人HIV-1感染者のPBMCよりCD4陽性T細胞を分離し、続いてHIV-1 Gag、PolおよびNef領域をカバーする17 mer HIV-1オーバーラップペプチドを含むペプチドカクテルを処理し、特異的CD4T細胞反応の網羅的解析を行った。その結果、Gag領域:2種、Pol領域:2種、Nef領域:1種のカクテルに対するCD4T細胞反応を示した感染者は、示さなかった感染者に比べて低いウイルス量を示していた。一方で、Gag領域:4種、Pol領域:4種、Nef領域:1種のカクテルに対するCD4T細胞反応の強さが、有意に低いウイルス量と相関していることが認められた。そのうち、前者の解析と一致したものは、Gag3、Gag4、Pol18であり、特にGag4カクテルに反応する検体が多かった。続いて、カクテル中のいずれの17merオーバーラップペプチドが反応しているかを明らかにするため、Gag4カクテルに反応した検体に対して、個々のペプチドカクテルを処理し、ELISPOT法による特異的CD4T細胞反応の網羅的解析を行った。その結果、Gag17-27、Gag17-28およびGag17-30のオーバーラップドペプチドが、標的エピトープを含むペプチドの候補として同定された。
本研究のこれまでの成果により、HIV-1特異的CD4T細胞を誘導するための最適な抗原の探索のための重要な結果が得られ、HIV-1特異的CTLおよび抗HIV-1中和抗体産生B細胞のHIV-1感染制御・防御に対する相乗効果が得られるワクチンの開発にとって非常に意義があると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

我々はこれまでに、無治療慢性日本人HIV-1感染者を解析し、低いウイルス量と関連することが示されたGag4ペプチドカクテルに含まれるGag17-27、Gag17-28およびGag17-30のオーバーラップドペプチドが、標的エピトープを含むペプチド候補であることを同定し、続く研究によってHIV-1特異的CD4T細胞を同定するための候補ペプチドが得ることができた。
一方でGag4オーバーラップドペプチドカクテルを感染者のCD4陽性T細胞に処理し、カクテルに反応するCD4T細胞を誘導し、抗原提示細胞(同一感染者のPBMCより樹立したEBV-transformed B細胞株)およびカクテルに含まれる個々のオーバーラップペプチドを用い、細胞内サイトカイン(IFN-γ)染色法によって反応を検出することを試みたが、非常にCD4陽性T細胞の反応性が低いことが明らかになった。これは、慢性期患者ではHIV-1特異的CD4T細胞はわずかな数しか存在していないと考えられる。今後の実験では、オーバーラップドペプチドに特異的なCD4T細胞を誘導する必要があるため、現在HIV-1特異的CD4T細胞の樹立の際にMACS法によるCD4陽性T細胞を分離してから数日間培養する方法を検討している。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究により、低いウイルス量と関連することが示されたGag4ペプチドカクテルに含まれるGag17-27、Gag17-28およびGag17-30のオーバーラップドペプチドが、標的エピトープを含むペプチド候補として同定された。そこでまず、HIV-1特異的CD4T細胞の樹立の際にMACS法によるCD4陽性T細胞を分離してから数日間、IL-7等のようなT細胞の生存を促すインターロイキンを処理したうえで培養し、CD4T細胞の増殖・活性化を促す。もしくは、セルソーティングにより確実にCD4陽性T細胞を分離し、特異的CD4T細胞の誘導を試みる予定である。続いて、誘導したオーバーラップドペプチド特異的CD4T細胞が特定のHLA class II分子に拘束されているかを調べる。まず、感染者のPBMCよりペプチド特異的CD4T細胞を誘導し、感染者の持つHLA class II分子を発現させた抗原提示細胞(721.221細胞)を用い、HLA class II拘束分子を判定する。続いて、17merオーバーラップペプチド特異的CD4T細胞およびオーバーラップペプチドを基に新たに合成した短いペプチドを結合させた抗原提示細胞を用い、最適な長さのエピトープペプチドの決定を試みる。
また、最適長エピトープが決定した上で、それらエピトープ特異的CD4T細胞を誘導し、クローンの樹立を試みる。さらに、それらクローンを用いてサイトカイン産生能の解析、およびHIV-1感染細胞に対するサイトカイン産生の解析を試みる。また一方で、エピトープ特異的CD4T細胞クローンの機能によって、HIV-1特異的CTLが活性化するか、またHIV-1増殖抑制能が亢進しているかどうかを明らかにする予定である。

Causes of Carryover

これまでの研究結果により、今後様々な長さのペプチドを購入する必要があるため、次年度に繰り越した。これらのペプチドを購入することにより、次年度の研究の大幅な進展が期待される。

Expenditure Plan for Carryover Budget

オーバーラップペプチドにより推定される様々な長さのペプチドを合成し、HIV-1特異的CD4陽性T細胞が認識することのできる最適長エピトープペプチドを同定する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results)

  • [Journal Article] Accumulation of Pol Mutations Selected by HLA-B*52:01-C*12:02 Protective Haplotype-Restricted Cytotoxic T Lymphocytes Causes Low Plasma Viral Load Due to Low Viral Fitness of Mutant Viruses2017

    • Author(s)
      Hayato Murakoshi, Madoka Koyanagi, Takayuki Chikata, Mohammad Arif Rahman, Nozomi Kuse, Keiko Sakai, Hiroyuki Gatanaga, Shinichi Oka and Masafumi Takiguchi
    • Journal Title

      Journal of Virology

      Volume: 91 Pages: e02082-16

    • DOI

      10.1128/JVI.02082-16

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2018-01-16  

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