2019 Fiscal Year Annual Research Report
A novel pathogenic mechanism of delayed myelination caused by deficit of mitochondrial small RNA
Project/Area Number |
16K19625
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市野井 那津子 東北大学, 大学病院, 特任助手 (40509402)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低分子RNA / 先天性大脳白質形成異常 / 髄鞘化障害 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性大脳白質形成不全症は髄鞘化障害により難治性のけいれんや重度の精神発達遅滞などを呈する疾患群であり,その遺伝要因は非常に多様である。本疾患群の一家系の遺伝解析で認められた新規の疾患候補遺伝子PNPT1は,ミトコンドリア内への低分子RNA輸送に関連する機能を有する。そこで本研究では,ミトコンドリア内低分子RNA減少と髄鞘化障害との関連性を明らかにすることを目的とした。 1)ミトコンドリア内低分子RNAの検証: 患者の線維芽細胞ミトコンドリア画分内において,ラジオアイソトープ標識した低分子RNAの発現が減少していることを示した。PNPT1遺伝子変異によって,ミトコンドリア内への低分子RNA輸送障害が引き起こされていることが示唆された。 2)ミトコンドリア障害: 患者線維芽細胞のミトコンドリア機能をExtracellular Flux Analyzerを用いて解析した。その結果,コントロールに比し患者のミトコンドリア機能が障害されていた。 3)動物モデルの表現型解析: CRISPR/Cas9システムを用いてPNPT1ノックアウトマウスを作製した。その表現型は早期の胎生致死であった。最終年度は,胎生致死を回避するために,本家系で同定したミスセンス変異のノックインマウス作製を継続した。しかしながら,研究期間内に目的としたマウスは得られなかった。 本研究では,PNPT1遺伝子変異におけるミトコンドリア内低分子RNAの減少およびミトコンドリア機能障害を明らかにした。髄鞘化障害を来す疾患群の一部において,ミトコンドリア低分子RNA減少が病態機序に関与することが示唆された。
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