2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genomic background of pseudohypoparathyroidism 1B
Project/Area Number |
16K19630
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高谷 里依子 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20772370)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 偽性副甲状腺機能低下症 / 片親性ダイソミー |
Outline of Annual Research Achievements |
偽性副甲状腺機能低下症(Pseudohypoparathyroidism 1B, PHP1B)は、腎臓近位尿細管での副甲状腺ホルモン(PTH)への抵抗性により、低カルシウム血症、高リン血症、高PTH血症をきたす疾患である。PHP1B症例のgenomic DNAでは、染色体20番長腕に位置する GNAS locusのメチル化可変領域の広範囲または一部のメチル化異常を示し発症の原因とされている。これまでに、家族例ではGNASまたはその上流のSTX16において母由来の欠失または重複を認め、メチル化異常の原因として報告されている。しかし、PHP1Bの多くは孤発である。本研究の目的は孤発性PHP1Bにおけるメチル化異常の遺伝学的背景を解明することである。今回の研究では、 1)孤発性PHP1B患者27例を収集し、末梢血白血球からgenomic DNA抽出した。MS-MLPA法でGNAS locusのメチル化状態を解析した。27例とも広範囲のメチル化異常を示したが、その程度は様々であった。 2)片親性ダイソミーを検出するために染色体20番のマイクロサテライト解析を行なった。27例中2例に20番染色体長腕の父性片親性ダイソミー(patUPD20q)を認めた。 3)patUPD20q 認めなかった25例のうち23例についてはSTX16-GNAS locusでのターゲットゲノムシークエンス解析を施行した。しかしながら、新規変異、微小な父性片親性ダイソミー、微小な欠失はいずれも検出できなかった。 4)ターゲットゲノムシークエンス解析施行しなかった2症例のうち1例についてはSNP-CGHアレイを施行した。しかしながら、コピー数の異常やloss of heterozygosityは認めなかった。
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