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2017 Fiscal Year Research-status Report

環境因子に応じたエピジェネティクスによる炎症制御機構の意義

Research Project

Project/Area Number 16K19631
Research InstitutionTokyo Metropolitan Children's Medical Center (Department of Clinical Research)

Principal Investigator

蜂屋 瑠見  東京都立小児総合医療センター(臨床研究部), なし, 医員 (50365318)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords慢性炎症 / エピジェネティクス / マクロファージ / 肥満 / 糖尿病
Outline of Annual Research Achievements

メタボリックシンドロームの基盤病態として、肥満脂肪組織における慢性炎症が想定されているが、細胞内の炎症の慢性化機構は不明点が多い。申請者は、細胞記憶の観点から、エピジェネティック因子に注目し、マクロファージのヒストンメチル化酵素Setdb1が内在性の炎症抑制因子であることを明らかにし(Hachiya R et al. Sci. Rep. 2016)、自然免疫におけるエピジェネティクスの重要性は、環境因子に応じた適切な炎症応答を制御することにあるとの仮説を打ち立てた。本研究の目的は、Setdb1の病態生理的意義を検討すること、Setdb1活性化を誘導する環境因子の探索を行うことにより、Setdb1による環境因子に応じた炎症制御機構の意義を明らかにすることである。
2年目である本年度は、発表済のリポ多糖を用いた炎症シグナル伝達系Toll-like receptor 4(TLR4)刺激による急性炎症モデルから展開し、リポ多糖と同様にTLR4を介して作用し肥満脂肪組織において慢性炎症を惹起する飽和脂肪酸に注目した。野生型マクロファージでは飽和脂肪酸であるパルミチン酸刺激により、Setdb1の発現が経時的に減少し、それに伴ってIL6の発現が経時的に上昇した。一方、Setdb1をノックダウンしたマクロファージではIL6の発現上昇がより顕著に認められた。また、不飽和脂肪酸刺激ではSetdb1の発現が上昇することも見出した。Setdb1の活性は遺伝子発現である程度制御されていると考えられる。以上から、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸による脂肪組織の慢性炎症制御においてもSetdb1が炎症抑制因子として機能している可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度途中の研究代表者の異動に伴い、予定している計画より遅れているため、補助事業期間延長承認を受けた。次年度を含めた補助事業期間で研究計画を遂行予定である。

Strategy for Future Research Activity

初年度に見出した高グルコース濃度下でのSetdb1の意義、および、本年度に見出した脂肪酸刺激下でのSetdb1の意義について、in vitro解析系(上記のSetdb1ノックダウンマクロファージ細胞株の他、過剰発現株、酵素活性部位の変異株を作成済である)を用いてより詳細に解析する。また、Setdb1活性化を誘導する環境因子の探索を続行し、治療標的としての可能性を模索する。

Causes of Carryover

初年度途中の研究代表者の異動に伴い、研究の進捗に遅れを来たしたため。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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