2017 Fiscal Year Research-status Report
女性ダノン病iPS細胞由来心筋を用いたXISTの役割と遺伝子治療の可能性について
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16K19632
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉田 昌平 金沢大学, 医学系, 助教 (30623657)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ダノン病 / iPS細胞 / XIST |
Outline of Annual Research Achievements |
既に作成した女性ダノン病患者Tリンパ球より樹立したiPS細胞より、正常LAMP2mRNAを発現するクローン(WT)、異常LAMP2mRNAを発現するクローン(MT)のクローニングを行い、心筋分化させることに成功した。 分化心筋に対するLAMP2の免疫染色ではWTから作成した分化心筋(WT-iPSC-CMs)に対してはLAMP2の染色が認められたが、MTから作成した分化心筋(MT-iPSC-CMs)に対してはLAMP2蛋白の発現が認められなかった。ジストロフィン染色も行ったが、光学顕微鏡での観察においては差異を 認めなかった。 表現型としては、透過電子顕微鏡での観察においてMT-iPSC-CMsではその心筋細胞内に自己貪食空胞の存在が確認さ れた。また、バキュロウイルスを用いたtandem fluorescent LC3 assayを行い、MT-iPSC-CMsにおいてはファゴソームにライソソームが結合し、オートライソソームとなる過程での成熟不全が認められることを確認した。更にLC3に対するwestern blotでは、通常状態でのLC3-II分画の増加がMT-iPSC-CMsにおいては認められており、相対的にプロテアーゼインヒビタ ーを使用しても、LC3-II分画の増加が認められないことを確認した。フローサイトによる死細胞の量も確認したが、本実験系においてはLAMP2の異常の有無による死細胞の量の変化は認められなかった。 以上の差異について、ヒトアンドロゲンレセプター抗体のCAGリピートを用い、X染色体の不活化の差異が反映されているということを証明した。本研究はJ Mol Cell Cardiol. 2018 Jan;114:234-242. doi: 10.1016/j.yjmcc.2017.11.019.に発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CRISPR/Cas9システムによるXISTのノックアウトを行ったiPS細胞のクローンが樹立できない。siRNAでのノックダウンに関してはまだ行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
siRNAによるノックダウンは一時的なものであり、表現型の再現が困難な可能性が示唆されるため、CRISPR/Cas9でのノックダウンを継続する。今までの研究成果に関しては海外学会で発表を予定している。
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Causes of Carryover |
海外学会での発表を予定していたが、本年度は発表の機会がなかった。次年度に予定する。
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[Journal Article] Characteristics of induced pluripotent stem cells from clinically divergent female monozygotic twins with Danon disease.2018
Author(s)
Yoshida S, Nakanishi C, Okada H, Mori M, Yokawa J, Yoshimuta T, Ohta K, Konno T, Fujino N, Kawashiri MA, Yachie A, Yamagishi M, Hayashi K.
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Journal Title
Journal of Molecular and Cellular Cardiology
Volume: 114
Pages: 234-242
DOI
Peer Reviewed
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