2016 Fiscal Year Research-status Report
アスパラギン合成酵素欠損症の診断スクリーニング法の確立と治療法の研究
Project/Area Number |
16K19637
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
久保田 一生 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (10526940)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アスパラギン合成酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスパラギンは生体内でつくることのできる非必須アミノ酸の一つであり、アスパラギン合成酵素(ASNS)によりグルタミンの存在下でATPを利用してアスパラギン酸とグルタミン由来のアミノ基から合成される。このASNSは成熟した脳でよく発現しているとされる。ヒトでは、ASNSの欠損により先天性小頭症、難治性のてんかん、精神運動発達遅滞などを呈するアスパラギン合成酵素欠損症が近年報告された。しかし、まだ新しい疾患であるためその病態や治療法などはよく分かっておらず、遺伝子診断以外のスクリーニング法はない。本研究では、アスパラギン合成酵素欠損症の診断スクリーニング法と治療法の開発を目的としている。本年度は、我々の報告した4つの新規変異について発現ベクターを構築し、HEK293細胞やHeLa細胞などの培養細胞に導入してASNSタンパクの発現実験を行った。これら培養細胞でのASNSタンパクの発現はWestern blot法を用いてその発現を確認することができた。次に、シクロヘキシミドによる安定性比較試験を行ったところ、変異体と野生型の間には有意な差は認められなかった。また、変異ASNSのアスパラギン合成能の評価のためにニンヒドリン法を用いてアスパラギンの定量を行ったが、十分にアスパラギンの定量を行うことはできなかった。原因として培養細胞の内在性タンパクが影響している可能性が考えられ、今後検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
診断スクリーニング法につながるアスパラギンの定量が確立できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
変異タンパク発現させた培養細胞を用いてアスパラギン合成酵素の活性測定を引き続き行う他に、患者リンパ球または線維芽細胞を用いた活性測定についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由としては、発表の水準に達するような研究成果が得られず、学会への出張に対する旅費に残額が生じたこと、謝金を必要としなかったことが挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これらの金額と次年度以降に請求する研究費を合わせた研究計画としては、学会への参加の旅費に使用すること、謝金に使用することを計画している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The first report of Japanese patients with asparagine synthetase deficiency.2017
Author(s)
Yamamoto T, Endo W, Ohnishi H, Kubota K, Kawamoto N, Inui T, Imamura A, Takanashi JI, Shiina M, Saitsu H, Ogata K, Matsumoto N, Haginoya K, Fukao T
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Journal Title
Brain & Development
Volume: 39
Pages: 236-242
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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