2017 Fiscal Year Research-status Report
Escobar症候群の分子病態解明とGFPT1先天性筋無力症候群の治療法開発研究
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16K19639
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中田 智彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40773065)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Escobar症候群 / 胎児型アセチルコリン受容体 / 先天性筋無力症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
Escobar症候群は胎児型アセチルコリン受容体のサブユニットであるCHRNGの変異により惹き起こされる。本研究では遠位型多発関節拘縮症の原因遺伝子検索において同定されたCHRNGミスセンス変異P121Rの機能解析をおこなっている。昨年度おこなった発現実験において、変異型アセチルコリン受容体は野生型の60%程度の発現量となったことを報告したが、これは、P121Rは細胞表面発現を阻害せずチャネル開口の動態異常を惹き起こす、との仮説と異なった。発現実験では、培養細胞表面上にCHRNGを含んだ胎児型アセチルコリン受容体を発現させ、その発現量をフローサイトメーターを用いてカウントする。昨年度の結果と実験手技の見直しをおこなったところ、初回結果は培養細胞の状態の不均一さ、または、実験時間の延長による蛍光発色の衰退の影響が考えられた。そこで本年度は同実験を複数回おこない、手技の安定および実験時間の可能な限りの短縮を図った。再実験では野生型と同等の発現を示し、また、再現性が得られた。 成人型アセチルコリン受容体の各サブユニットの遺伝子変異では先天性筋無力症候群が惹き起こされる。胎児型から成人型への変化はCHRNGからCHRNEへの置換による。これまでにCHRNEのP121L変異による先天性筋無力症候群の病態はチャネル開口時間が延長するファーストチャネル症候群であることが示されている。本年度おこなったCHRNGP121Rの発現実験の結果は、胎児型においてもP121Rはその発現量が減少していないことを示すものである。 本方法は先天性筋無力症候群の機能解析として用いることができ、以前に遺伝子解析をおこない同定をした先天性筋無力症患者のCHRNDミスセンス変異においても同様の実験をおこない、その病原性の確認をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に研究エフォートが低下したための遅れがある。 本研究でおこなっている実験系は、先天性筋無力症候群の原因となる成人型アセチルコリンレセプターのミスセンス変異に対する機能解析にも用いることができる。本年度、先天性筋無力症候群異おいて同定されたミスセンス変異についても解析を担当した。
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Strategy for Future Research Activity |
CHRNG変異をもつ胎児型アセチルコリン受容体の発現は野生型と同等であり、イオンチャネル動態の解析を進めていく。 現状、Escobar症候群の新規症例の発掘に難渋している。本研究であつかっている患者の診察を再度おこない臨床症状を学会等で発表する予定である。可能であればいくつかの変異部位の機能解析をおこない論文にまとめることを考えている。
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Causes of Carryover |
平成28年度の実験結果が仮説と異なり実験手法の再確認を慎重におこなう必要があったことと、同年の研究エフォートの低下による実験の遅れのために次年度助成金が生じた。また、Escobar症候群の新規症例を獲得しその病態究明をより確実なものにするために期間を延長しての研究継続が必要となっている。 また、本研究方法はアセチルコリン受容体変異による先天性筋無力症候群の病態解析にも応用可能であり、以前に同定した変異に対して解析をおこなった。 引き続きアセチルコリン受容体変異に対する機能解析をおこなうこと、すでに予定が決定している学会発表をおこなうこと、成果を論文にまとめること、を目標にしておりその費用として助成金を使用する。
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Research Products
(1 results)