2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of fetal acetylcholine receptor in patients with Escobar syndrome
Project/Area Number |
16K19639
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中田 智彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40773065)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Escobar症候群 / 胎児型アセチルコリン受容体 / 先天性筋無力症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト筋骨格筋の神経筋接合部に存在するアセチルコリン受容体は4つのサブユニットからなる5量体であり、胎生33週頃にガンマからイプシロンサブユニットに置換される。成人型アセチルコリン受容体の遺伝子変異により先天性筋無力症候群が惹き起こされる。胎児型アセチルコリン受容体に含まれるCHRNG遺伝子は非致死型多発性翼状片症候群であるEscobar症候群の原因遺伝子である。本研究ではEscobar症候群の遺伝子診断と、臨床像の解明、同定した変異の機能解析をおこなった。Escobar症候群2家系3人にCHRNG遺伝子変異を同定し、ミスセンス変異p.Pro143Argが両家系に共通し、他アリルはフレームシフト変異およびナンセンス変異だった。昨年度までにHEK293細胞上へ発現させた野生型および変異型の胎児型アセチルコリン受容体の発現実験をおこない、変異型は野生型のおよそ60%の発現量だった。先天性筋無力症候群のアセチルコリン受容体欠損症では高度の発現量低下を示す。また、ある程度の発現量低下とチャネル動態の異常という複数の病態機構を併せ持つことも想定されている。今年度はMayo Clinicの研究室との共同研究により、p.Pro143Argのチャネル動態解析をおこなった。培養細胞に変異型の胎児型アセチルコリン受容体を発現させパッチクランプ法によりチャネル開口時間を測定したところ開口時間の短縮を認め、本変異が胎児型ファーストチャネル症候群を起こすことを明らかにした。臨床像について情報収集したところ、3人とも手指の手術を要する遠位型の多発関節拘縮持つがEscobar症候群に特徴的とされる翼状片についてはあっても極軽度にとどまっていた。学会発表をおこない最近になり類似症例の紹介を受けた(遺伝子解析準備中)。
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Research Products
(2 results)