2018 Fiscal Year Research-status Report
小児リウマチ性疾患の活動性評価に有用なバイオマーカーの検索
Project/Area Number |
16K19646
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
八代 将登 岡山大学, 大学病院, 助教 (80585943)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 小児リウマチ性疾患 / バイオマーカー / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
小児リウマチ性疾患における各種酸化ストレスマーカー(TRX,HMGB-1,d-ROMs,8OHdG)の測定系の確立を行った。TRXはTRX ELISA Kit(レドックスバイオサイエンス社、京都)を用いた。HMGB-1はHMGB1 ELISA KitⅡ(シノテスト、神奈川)を用いた。d-ROMsはFREE(Diacron International, Grosseto, Italy)を用いた。8-OHdGはNew 8-OHdG Check(日本老化制御研究所、JaICA、静岡)を用いた。既存の炎症マーカーとしてCRP,血清アミロイドA,プロカルシトニン,ferritinに加えて、各種炎症性サイトカインを測定した。炎症性サイトカインはMILLIPLEX Kit(MILLIPORE社)を用いてLuminex 200/MAGPIX system(MILLIPORE社)でIL-6、IL-18、TNFαなど3-29種類の項目を測定した。複数の疾患(全身型若年性特発性関節炎、若年性皮膚筋炎、混合性結合組織病ほか)の検体を用いて上記マーカーを測定し測定系が確立できたことを確認した。測定したTRXとその他の疾患活動性マーカーとの相関が乏しい結果となり、溶血の影響を懸念した。d-ROMs、HMGB-1は症例ごとに測定項目に変動があり、各症例ごとの細胞障害及び全身炎症の程度に相関すると考えた。 本研究の検討中に、小児リウマチ性疾患を含めた小児のさまざまな慢性および急性炎症性疾患のバイオマーカーの検討を行った。小児リウマチ性疾患とは異なるが原因不明の中枢神経炎症疾患であるけいれん重積型急性脳症の予後予測にプロカルシトニンが有用であることが判明したため報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
継続的な検体収集システムを確立したものの小児リウマチ性疾患の絶対数が少ないため、当施設以外では十分な症例数を得ることができなかった。 期間が限定されているため、同一症例において初発と再燃を呈したケースは認めなかった。 測定項目の変動があり、解釈に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
検体収集に関しては、多くの小児リウマチ性疾患を診療している施設との連携が必要である。全国の小児リウマチ専門施設との連携や小児リウマチ学会の登録(レジストリ)研究を活用することが望ましいと考える。 同一症例において、疾患活動性の変動を評価するためには今後も長期的に研究を継続していく必要がある。 TRXは溶血の影響を受けるため評価に用いる検体は溶血がないことを確認するひつようがある。TRXの関連を正確に評価するためmRNA発現の評価を検討している。TotalRNAの抽出のため、末梢血単核球については、QIAamp RNA Blood Mini Kit(Qiagen)、 全血からはPAXgene採血管(日本BD)とPaxgene Blood RNA system(Qiagen)を準備した。cDNA合成には RETROscript(Ambion)を用いる予定である。
|
Causes of Carryover |
炎症性サイトカインはMILLIPLEX Kit(MILLIPORE社)を用いてLuminex 200/MAGPIX system(MILLIPORE社)で複数の項目を測定することができる。今回臨床検体を採取したものの検査担当者が複数の研究を行っており時間を得られなかったためサイトカインを測定できなかった症例がある。次年度に実験時間を確保した後にMILLIPLEX Kitを購入して検査を予定している。この実験に次年度使用額を当てる予定である。
|