2017 Fiscal Year Research-status Report
原発性免疫不全症に対する非特異的な遺伝子改変を抑制した新規遺伝子治療法の開発
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16K19653
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山元 裕之 九州大学, 環境発達医学研究センター, 特任助教 (00710170)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 原発性免疫不全症 / ウイルスベクター / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の“遺伝子治療”は何らかの手段で正規の遺伝子の場所に関係なく遺伝子を付加的に導入する方法が大部分であり、変異遺伝子自体を修復する遺伝子修復治療は世界的にも開発途上である。 原発性免疫不全症に対する遺伝子治療はレトロ・レンチウイルスベクターを用いた報告が多数存在するが、治療後に一部で生じたベクターの非特異的な組込みによる発癌が特に問題となっている。また一方、近年、CRISPR-Cas9システムをはじめとする人工ヌクレアーゼを用いた遺伝子変異の修復を行った研究報告もあるが、人工ヌクレアーゼの非特異的なDNAの切断による、非特異的な遺伝子改変が問題となっている。こうした背景から、非特異的な遺伝子改変を抑制したより安全な新規の遺伝子治療法の開発が望まれている。 本研究では、原発性免疫不全症の中で頻度が高い無γグロブリン血症 (XLA)を対象に研究を行う。XLAは、X染色体に存在するBruton Tyrosine Kinase(BTK) 遺伝子の変異によりB細胞系の分化障害を来たす原発性免疫不全症である。本疾患では、造血幹細胞の一部で変異遺伝子を修復し、かつそれが増殖優位性を獲得できれば、分化障害を回復できる可能性がある。 前年度作製したアデノ随伴ウイルスベクターと人工ヌクレアーゼを用いて、血液細胞に対する、導入条件の検討を行った。結果、最適な条件を得ることができた。また、導入を行った細胞の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題に用いる臍帯血が一時的に必要数、入手困難となったため、研究計画の遂行に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したアデノ随伴ウイルスベクターを用いて、当初の計画の実験を行う。
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Causes of Carryover |
本課題に用いる臍帯血が一時的に必要数、入手困難となったため、次年度使用額が生じた。残りの必要な研究の実施と論文投稿は次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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