2016 Fiscal Year Research-status Report
小児難治性てんかん患者の心拍変動解析による突然死の危険因子の抽出
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16K19655
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
岡成 和夫 大分大学, 医学部, 助教 (90527657)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | てんかん / 心拍変動 / 小児 / てんかん関連突然死 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は研究開始にあたり、脳波判読プログラムPersistを用いて、脳波と心電図データの切り出しを行い、切り出した心電図を心拍変動解析ソフトKubios HRVで心拍変動解析を行うことのできる解析系の構築を行った。 平成28年度の目標は、当講座で診療している①てんかん患者のClinical profile を作成すること、②心電図、発作時・発作間欠期ビデオ脳波検査(日本光電社、GRASS 社:いずれもSampling rate 500Hz)を行うこと、③対象症例は0‐20 歳のてんかん患児とし、目標症例数はGTCS をもつてんかん患児50 人、150 発作、健常児25 人、④各、発作間欠期と発作前のHRV のパラメータを解析すること、であった。脳波と心電図のデータ切り出しと心拍変動解析系の立ち上げに時間を要した。心拍変動解析は線形解析:Low frequency, LF, (ms/Hz: 0.04‐0.15Hz帯域: 交感神経活動の指標)、High frequency, HF, (ms/Hz: 0.15‐0.5Hz帯域: 副交感神経活動の指標)、Root mean square difference of successive R-R interval, RMSSD:短時間の副交感神経活動の変化の指標と合わせて、非線形解析も同時に行っている。①-③は概ね達成できたが、③の健常症例のサンプルは達成できていない。④は集めたデータを現在、解析中であり、心拍変動パラメータ解析の達成は次年度へ持ち越す予定とした。健常データの不足は、大分県下の関連施設の協力を得て、目標数への到達を目指す予定とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始当初、購入予定だった脳波判読プログラムInsightがPersistへバージョンアップしており金額が大幅にアップすることで、予算を逸脱し、心拍変動解析ソフトの変更を強いられ、調整と解析系の立ち上げに時間を要した。 研究用の臨床データは順調に収集できており、脳波と心電図の切り出し、心拍変動の解析はスムーズに行えている。健常サンプルの収集が達成できていないので、関連施設にデータを依頼し、達成を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度から持ち越しの、心拍変動解析を行う。平成29年度の目標に掲げていた、平成27 年に採取したデータをもとに、個々のDensity spectral array; DSA や発作直前の変化を秒単位で解析できるPower spectralarray; PSA を用いて、発作直前のLF、HF の変化を解析する。追加でNonlinear methodを用いて、心拍変動のばらつきを数値化する検討を合わせて行う予定である。 今年度中にデータ解析を終え、結果をまとめ、来年度以降、学会発表、論文化を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定だった脳波・心電図切り出しソフトがバージョンアップで大幅に値上がりし、購入ソフトの調整を要した。旅費を400,000円で計上していたが、旅費の一部を解析ソフト購入に充て、旅費を削減して、45,028円の繰越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ切り出し時に使用する外付けハードディスクなどの消耗品や、旅費に使用する予定である
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