2018 Fiscal Year Annual Research Report
Risk factor of sudden unexpected death in epilepsy from heart rate variability in epilepsy children
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16K19655
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
岡成 和夫 大分大学, 医学部, 助教 (90527657)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | SUDEP / てんかん / 突然死 / 心拍変動 / 自律神経機能異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
てんかん患者の予期せぬ突然死はSudden unexpected death in epilepsy (SUDEP)と呼ばれ、複数の要因が関与しあい死に至る機序が仮説として報告されている。複数の要因の1つにてんかんによって生じる後天性の自律神経障害が存在する。突然死するてんかん患者は自律神経機能の不均衡を認めることが報告されているが、てんかん患者の臨床的要因との相関は明らかになっていない。 本研究ではてんかん患者の自律神経機能を心拍変動によって評価した。用いた心拍変動のパラメータはSUDEP患者の自律神経機能の指標として用いられている、周波数解析のうちHigh frequency (HF: 0.15~0.5Hz) とLow frequency (LF: 0.04~0.15Hz)のパワー値によって副交感神経機能(HF)と交感神経機能(LF/HF)を評価した。臨床的要因はてんかん罹患期間、発作回数、全身けいれんの有無と回数、抗てんかん薬数、認知機能、身体機能との相関を解析した。 結果は小児てんかん患者のてんかん罹患期間と心拍変動が相関すること、てんかん罹患早期に心拍変動が異常高値または低値を示す群が存在することが明らかになった。正常小児の心拍変動は経年齢的にLF/HFが増加するのに対し、てんかん患者ではLF/HFは減少し、正常児では年齢と相関を示さなかったHFは、てんかん患者では増加する結果となり、てんかん罹患によって経年齢的に副交感神経優位の自律神経状態であることを示した。 小児期にはSUDEPの発生頻度が低いことが疫学的に報告されている。小児期の心拍変動の特徴を捉えることで、将来的にSUDEPの予防につながる病態や、経年齢的にSUDEPを引き起こしやすい状態に変化していく背景因子を同定することにつながるかもしれない。
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Research Products
(1 results)