2017 Fiscal Year Research-status Report
ランゲルハンス細胞組織球症における微少残存病変評価法の確立
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16K19662
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
翁 由紀子 自治医科大学, 医学部, 研究員 (30438650)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血漿BRAF V600E / ランゲルハンス細胞組織球症 / 微少残存病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は乳幼児に好発する腫瘍性疾患である。治療効果判定は、画像検査を行うが、定量性に欠ける。大腸がんでは、血漿のBRAF V600Eコピー数が、残存腫瘍量を反映すると言われている。そこで、LCHの60%に陽性であるBRAF V600Eを、血漿で定量できれば、簡便に腫瘍量を評価することができると考えた。 前年度に確立した方法を用いて、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)患者の血漿中BRAF V600Eを定量した。 新たに20症例の血漿から、cell-free DNAを抽出し、定量PCRを行った。20症例中6例(30%)が、BRAF V600E陽性だった。 LCHでは、血漿BRAF V600E定性と腫瘍BRAF V600E定性が一致するかどうか、確認されていない。そこで腫瘍BRAF V600Eも解析する必要がある。 臨床試験(2012年-2018年)で収集した腫瘍のパラフィン切片を使用する計画であるが、切片作成から時間が経つと、DNAの劣化が起こる。そこで、6年前に作成したLCH腫瘍のパラフィン切片から、DNAを抽出し、BRAF V600E変異特異的PCRを行う予備実験を行った。4μmの厚さの切片、3枚から、DNAを抽出した。3症例で確認したが、全例、純度の高いDNAを抽出することができ、PCRも行うことができた。小さな病変では、十分量抽出できないことを懸念したが、2x2mmの皮膚病変でも、切片3枚から十分量DNAを抽出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
6年前に作成した腫瘍のパラフィン切片でも、純度の高いDNAを抽出でき、変異特異的PCRがかかることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、腫瘍のBRAF V600E定性を行い、LCHでも、血漿BRAF V600E解析が、信頼できるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)LCH患者血漿のサイトカイン測定には、Bio-Plexマルチシステムを使用するが、試薬代が高額で、使用期限に限りがあるため、次年度購入予定とした。 (使用計画)Bio-Plexマルチプレックスシステムを使用して、LCH患者血漿中サイトカインを測定する。
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