2016 Fiscal Year Annual Research Report
わが国を中心とした先天性胆汁酸代謝異常症の包括的スクリーニング構築
Project/Area Number |
16K19666
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
成高 中之 順天堂大学, 医学部, 助教 (60768563)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 遺伝学 / 酵素 / 小児科 / 内科 / 肝臓 / 胆汁酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性胆汁酸代謝異常症(IEBAM)は小児における原因不明の胆汁うっ滞症を来たす疾患の一つである。我が国における本疾患の全体像はいまだ不明であり、症状が進行すると死に至る可能性がある一方で、適切な治療を行えば生存を見込める可能性がある。liquid chromatography-electrospray ionization-tandem mass spectrometry (LC-ESI-MS/MS)を用いた胆汁酸分析により、8つのIEBAMを早期診断することが可能である。これまでの凍結尿検体郵送法の代わりに濾紙尿郵送法を用いることにより、簡便でかつ低コストでスクリーニングを行うことができる。IEBAMのスクリーニングを行い、我が国および海外におけるIEBAMの実態調査や治療の提言、鑑別される胆汁うっ滞性疾患の生化学的評価を中心に研究を行ってきた。 今回の研究期間において、依頼を受けた件数は33例であり、うちIEBAMは7例であった。全症例に関して、臨床経過、肝機能の推移、定期的な胆汁酸分析を行っており、治療に関する提言を依頼先へ行っている。さらに本スクリーニング法を用いて3β-スルホオキシ-7β-N-アセチルグルコサミニル-5-コレン酸を検出することで、Niemann-PickC型の一部を診断することが可能となった。 IEBAMやNiemann-PickC型は非常に稀な疾患であり、確定診断には遺伝子解析といった特殊な検査が必要であるため、診断までに長い時間や高いコストがかかるケースがある。本スクリーニングシステムを用いることで簡便にかつ、低コストで診断を行うことが可能となった。以上について国際学会や研究会で発表し、本疾患の理解の普及に努めた。また、本研究によるスクリーニングシステム及び診断し得たIEBAM症例に関して、研究論文を作成中である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Diagnostic determination system for high-risk screening for inborn errors of bile acid synthesis: results and recent trend2016
Author(s)
Nakayuki Naritaka, Mitsuyoshi Suzuki, Hajime Takei, Huey-Ling Chen, Kyung Mo Kim, Seak Hee Oh, Akihiko Kimura, Takao Kurosawa, Takashi Iida, Hiroshi Nittono, Toshiaki Shimizu
Organizer
World Congress of Pediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition
Place of Presentation
Monteal, Canada
Year and Date
2016-10-05 – 2016-10-08
Int'l Joint Research