2017 Fiscal Year Research-status Report
出生後FOXP3のエピジェネティクス変化と免疫寛容の関係に関する解析
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16K19667
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山崎 晋 順天堂大学, 医学部, 助教 (80771774)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アレルギー / 免疫学 / エピジェネティクス / 制御性T細胞 / 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、制御性T細胞の細胞表面マーカーであるFOXP3のエピジェネティクス変化の違いを根拠に「アレルギー疾患の病態は免疫寛容不足型と免疫寛容崩壊型の二つに分けられる」という新知見を加えるものである。申請者は、新生児末梢血細胞とアレルギー児の末梢血細胞に発現するFOXP3のエピジェネティクス解析を行うことで、新生児期エピジェネティクスという発展途上の分野を開拓し、アレルギー疾患病態のさらなる解明と発症予防につなげることを目的としている。 平成28-29年度にかけて、遺伝子解析を伴うため、倫理委員会の承諾を得た後に、代諾者から同意を得た新生児検体17例のうち5例についてのFOXP3領域のメチル化変化とそれに伴うエピジェネティクスに影響を与えるであろう要因について(詳細は研究中のため省く)解析を終えた。 FOXP3の遺伝子領域の内、200bp範囲にあたりをつけ、メチル化解析を行ったが、遺伝子のメチル化変化について有意な結果は現時点では捉えられていない。しかし、他の要因について大変興味深い結果が得られており、FOXP3とは異なる遺伝子の検討やそれに付随する要因について検討していく方針である。 症例数を集めることに難渋したが、平成30年度は残検体について解析し、新生児期特有のエピジェネティクス変化、出生直後の新生児にどのような遺伝子変化が起こり、そのためには何が必要なのかを捉え、アレルギー発症予防につながる要因を見出した報告ができることを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会の承諾に時間を要した。また、新生児検体の回収に想定より時間を要した。現時点では必要検体数を回収し終えたため、解析項目を検討しているところである。新生児検体であり十分な血液検体量が得られないことから、解析項目を絞る必要があるが、検体量が少ない未開発な研究分野であるため、貴重な報告であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は既に回収した検体について解析し、新生児期特有のエピジェネティクス変化を捉えた報告ができることを期待している。 平成30年、6月、7月に検体の解析を終える予定である。当初は免疫学、アレルギー分野に特化したジャーナルを目指していたが、研究の結果次第では、創薬、遺伝学のジャーナルに切り替えて投稿、発表を目指すことも考えている。平成30年内に海外誌への投稿を目指している。 また、今後の検討課題についても明らかになってきたため、この研究を足掛かりに次年度の研究費獲得につなげたい。
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Causes of Carryover |
研究検体を集めることに想定より時間を要したため、解析にかかる経費分が未請求なため余剰金が発生した。現在、すでに検体は集め終わったため、H30年度に前年度に解析する予定であった研究を行いたく、前年度の余剰金が必要となっている。
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