2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms for regression of matured synapses as a neuronal basis for Rett syndrome
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16K19672
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
鳴島 円 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 准教授 (30596177)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シナプス / 発達 / 維持 / mGluR1 / レット症候群 / MeCP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度より東京女子医科大学・生理学(第一)講座から自然科学研究機構・生理学研究所に異動となった。前年度は視覚系視床(外側膝状体)におけるmGluR1の機能解析を行っていたが、今年度は今後の行動解析への拡張性を考慮し、体性感覚系視床(後内側腹側核)の求心性シナプスを対象に解析を行った。その結果、外側膝状体ではmGluR1の発現を阻害したマウスの求心性シナプスはレット症候群モデルマウスと類似した正常発達後に起きる異常なシナプス再編成が見られたのに対し、後内側腹側核ではシナプスの発達期から、シナプス応答の振幅の低下やシナプス除去の異常が起こることを見出した。一部のシナプスは成熟に従っていったん強化されたが、その後外側膝状体と同様にシナプス再形成や個々のシナプス応答の減弱など、幼若型結合への退行が見られた。以上の結果から、mGluR1はシナプスの正常な形成・強化・除去・維持の全過程に関わる分子であることが示唆される一方、mGluR1発現阻害による後内側腹側核・求心性シナプスの異常はレット症候群モデルマウスの表現型とは異なるため、mGluR1とレット症候群の原因遺伝子MeCP2との関連性については、より詳細な解析が必要となった。現在は発達の各時期でmGluR1発現阻害時におけるMeCP2の発現レベルを免疫組織化学的染色およびウェスタンブロッティング法にて確認中である。 上記の研究成果を、北米神経科学学会(Neurosciene 2017)、日本神経科学大会、日本生理学会大会にてポスター発表、ならびに生理学研究所国際シンポジウムの招待講演にて発表した。また上記の成果により、2017年度の神経科学学会奨励賞を受賞した。
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Remarks |
2017年度 神経科学学会奨励賞 受賞 http://www.jnss.org/syorei/2017narushima/
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] The metabotropic glutamate receptor subtype 1 mediates visual experience-dependent maintenance of synaptic connectivity in the dorsal lateral geniculate nucleus.2017
Author(s)
Madoka Naruhsima, Motokazu Uchigashima, Yuki Yagasaki, Takeshi Harada, Yasuyuki Nagumo, Naofumi Uesaka, Kouichi Hashimoto, Atsu Aiba, Masahiko Watanabe, Mariko Miyata, Masanobu Kano
Organizer
Neuroscience 2017
Int'l Joint Research
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