2016 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーが胎児成長に及ぼす効果とその機序の解明
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16K19680
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高谷 具純 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10608821)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オートファジー / 子宮内発育不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は妊娠中の胎盤機能低下などによって引き起こされる胎内ストレスが子宮内発育不全や出生後の低身長を引き起こすことに対して、オートファジーがどのように活性化され成長因子シグナルにどう影響するかを明らかするため、1)子宮内発育不全モデルを確立し、そのオートファジー活性化状態の評価、2)オートファジー欠損/促進による胎児成長の評価、3)ストレス下の成長因子シグナル変化の解析、及びストレスによって誘導されるオートファジーと成長因子シグナルの相互作用の解析がある。1)については、当初野生型マウスでの両側子宮動脈結紮モデルでの測定を行ったが、安定的な結果が得られず発育不全モデルの変更を行った。いくつかの提唱されているモデルを検証したが、その中でも浸透圧ポンプによるトロンボキサンA2類似体投与による子宮内発育不全誘導が安定していることが判明し、2)を含めた今後の解析に応用できる見通しがついた。3)についてはマウスより採取した骨芽細胞、間葉系幹細胞を無血清などのストレスに暴露したところ、AKTのリン酸化で評価されるインスリン様成長因子シグナルの低下する傾向を認めた。さらに、オートファジー阻害剤の添加でシグナルの低下が増強された。オートファジー誘導剤をあらかじめ作用させておくと、ストレスによるインスリン様成長因子シグナルの低下が軽減され、骨芽細胞および間葉系幹細胞において、ストレスによるインスリン様成長因子シグナルにオートファジーが関係していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子宮内発育不全モデルの作成に関して、報告されている子宮動脈の両側結紮モデルを試みたが、作成される子宮内発育不全胎児が安定して作成されず、解析に耐えるだけのモデルにならないと判断されたため、モデル変更を検討した。その結果当初の解析に遅れが生じている。細胞内シグナルの解析については骨芽細胞の採取も計画通り遂行でき、一部のシグナル解析について終了しており、おおむね順調に推移していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮動脈の両側結紮モデルによる子宮内発育不全モデルが、当初予定したとおりに進まなかったことから、子宮内発育不全モデル作成にトロンボキサンA2類似体を、浸透圧ポンプを用いて、母体に持続投与することによって発育不全マウスを作成し、そのマウスのオートファジー活性化を評価する。オートファジーを欠損している遺伝子改変マウスを用いて、同様にトロンボキサンA2類似体を母体に持続投与し、オートファジー欠損時における子宮内発育の変化を評価する。さらにピューロマイシンを、母体を通じて胎児に投与してオートファジーの誘導を行い、トロンボキサンA2類似体母体投与による子宮内発育の変化を評価する。 細胞内シグナル解析はマウス骨芽細胞におけるオートファジーを、レンチウイルスを用いたAtg5ノックダウンによって欠損させた後にインスリン様成長因子シグナルの解析をウエスタンブロット法にて行う。マウスの細胞で得られた結果をヒトの間葉系細胞を用いて検証するため、ヒトの間葉系幹細胞を分化させたのちに、オートファジー阻害剤を作用させて、インスリン様成長因子シグナルの解析をウエスタンブロット法にて行う。
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