2017 Fiscal Year Research-status Report
幹細胞を用いた新生児慢性肺疾患に対する新規治療法の開発
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16K19683
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齊藤 明子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50615276)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 新生児慢性肺疾患 / 細胞療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
日齢5に、Muse細胞またはnon Muse細胞(各1×104 cells/個体)またはvehicleをCLDモデルラットの右外頸静脈から投与し、有効性を評価している。これまでに、日齢15での評価で、肺胞発達障害の改善、肺高血圧の改善を示している。今年度は、より長期の日齢29の治療効果の評価、生着の評価、肺胞洗浄液(BALF)の検討を行った。 日齢29においてもTissue Volume Density(肺組織体積密度)はCLDで低下し、Muse細胞投与で改善した。nonMuse細胞投与では効果が不充分であった。Muse細胞投与による肺胞発達障害抑制が示された。また、肺高血圧に対する効果は、右室と心室中隔+左室の乾燥重量比(RV/LV+IVS)測定と肺動脈壁肥厚(medial wall thickness)測定で行った。RV/LV+IVSはCLDで上昇するが、Muse細胞投与で軽減した。nonMuse細胞では効果が無かった。CLDで認めた肺動脈血管壁の肥厚もMuse細胞投与で軽減した。nonMuse細胞では効果が乏しかった。Muse細胞のみ肺高血圧への治療効果が示された。 肺への生着は、免疫組織学的評価と、ヒトゲノムに特異的なAlu配列の定量的PCRで ヒト細胞を検出することにより評価した。日齢15、日齢29にMuse細胞の肺組織への生着を確認した。nonMuse細胞でも肺内に検出されたが、少数であった。PCRにても同様な結果を得た。 BALFでは、CLDで白血球数(マクロファージとリンパ球)が増加したが、Muse細胞投与により軽減した。nonMuse細胞でも白血球数は減少していたが、有意ではなかった。Muse細胞による抗炎症作用が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験が出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
肺機能検査における機能的改善、臨床応用を目指した細胞製剤での有効性を評価していく。
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Causes of Carryover |
生着細胞の分化の評価を行う予定であったが、購入する抗体を決められず次年度となったため生じた。次年度に同じ目的で使用する。
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