2017 Fiscal Year Research-status Report
X染色体不活性化を中心とした妊娠期環境の後天的影響と防御策の実験的検証
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16K19691
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
熊本 隆之 奥羽大学, 薬学部, 講師 (00433558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | X染色体不活性化 / DOHaD |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠2日齢のICR系マウスを購入、AIN93G基礎精製飼料を元に特注した葉酸添加飼料およびAIN93G基礎精製飼料群、ビスフェノールA (BPA) 曝露群および非曝露群の組み合わせの計4群に分け、それぞれ飼育した。到着後1日馴化させた後、BPAはコーンオイルに溶解し、経口投与針を用いた強制経口投与を出生時まで連日行った。出生後は通常飼料に戻し飼育し、雌性出生仔を5、12日齢、7週齢時に重量、肛門生殖器間距離 (AGD) 測定後、解剖に供し、大脳、肝臓、胸腺を得た。これらについてリアルタイムPCRによりX染色体不活性化因子および関連するX連鎖遺伝子群の遺伝子発現変動解析を行った。大脳についてはFmr1, Gdi1, Nlgn3, Ophn1, Pak3、肝臓についてはPdha1, G6pdx, Otc、胸腺についてはIl2rg, Cd40lg, Btkを中心に解析した。雄出生仔は9週齢、16週齢時解剖に供し、大脳、肝臓、胸腺に加え、精巣、精巣上体を摘出し、進行性、速度、頭部面積等の精子性状への影響を解析した。また精巣よりX染色体不活性化因子および関連するX連鎖遺伝子群としてTex13, Usp26, Taf7L, Nxf2, Fthl17, Utxの発現変動解析を行った。薬物投与にあたっては毎回、体重を測定し行ったが、すべての日齢において群ごとの体重および体重増加率に有意な差が無いことを確認している。飼料は毎回計量して与え摂餌量を調べ、妊娠0-1週、1-2週、2週~出生時、妊娠全期間、出生時~離乳時、離乳時~7週齢時のいずれも有意な差がないことを確認している。また、母体より血清中葉酸濃度を測定し、葉酸添加群に有意な増加を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付決定後、他の公的研究に参画することとなり、エフォートに制限が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、テーマに則ったエピジェネティクスへの影響解析を中心に進めている。
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Causes of Carryover |
当初の予定より試薬等が安価に収まり、本年度の推進に活用したい。
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