2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of adipocyte number and size on future risk of adult-onset disease in preterm low birth weight infants
Project/Area Number |
16K19695
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中野 有也 昭和大学, 医学部, 講師 (40465224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 低出生体重児 / 生活習慣病 / 乳幼児期 / DOHaD |
Outline of Annual Research Achievements |
低出生体重児は将来インスリン抵抗性を獲得しやすく、それと関連してか、生活習慣病の発症リスクが高いことが知られている。本研究は「低出生体重児では、脂肪組織の数や大きさなどの点で、正期産AGA児と比較して異なる脂肪組織の発達が認められるのではないか」との仮説に基づいて立案された。その方法は、乳幼児期(6か月~5歳)に脂肪組織を採取し、合わせて血液検査を行い関連する指標を調べることで、周産期因子や生後の成長が脂肪組織の発達に与える影響を調査するものである。 最終年は前年までにエントリーが少なかった低出生体重児および女児のみ延長してリクルート行った。最終的に97名の乳幼児(6か月~5歳)から脂肪組織を採取して、脂肪細胞の平均直径を算出し、周産期情報や評価時の身体計測値、関連する血液学的所見との関係を統計学的に解析した。脂肪細胞の直径の平均は、BMI(p<0.001)、BMIzスコア(p<0.01)、上腕三頭筋皮脂厚および肩甲下皮脂厚(p<0.05)とそれぞれ有意な正の相関を示し、出生体重および評価時の身長SDスコア(p<0.01)と有意な負の相関を示した。低出生体重児群(15名)と正期産・AGA児(78名)の比較では、脂肪細胞平均直径は低出生体重児群で有意に大きく(p<0.01)、評価時の年齢やBMI、性別および乳児期の栄養(母乳栄養>6か月以上)を調整するとその差はより顕著となった(p<0.001)。一方で脂肪細胞の直径は、インスリンやHOMA-IR、アディポネクチンおよびレプチンなどの指標とは関係しなかった。 以上の結果から、低出生体重児群ではその体格に比較して脂肪細胞のサイズが大きい傾向があることが示唆された。この時期の脂肪細胞の大きさに両群間で違いが認められたことは重要な所見であり、それが将来の生活習慣病リスクにつながっていくかを今後検証する必要があるものと考えられた。
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Research Products
(7 results)