2017 Fiscal Year Research-status Report
トロンボポエチンに注目した新生児血小板減少症の機序解明とその新規治療法
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16K19697
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
竹下 覚 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20715875)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 新生児 / 血小板 / トロンボポエチン / c-Mpl |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究において、早産児のトロンボポエチン測定について当院の倫理審査委員会の承認を得、研究を遂行している。具体的には、日齢0・1・2に採血を行い、トロンボポエチンをELISA法により測定した。その結果、早産児では血小板減少がみられるがトロンボポエチンが高値とならないことが判明し、トロンボポエチンの発現不足が原因となっている可能性が考えられた。この結果については2018年7月に行われる日本周産期新生児医学会学術集会で発表する予定である。この今後はモデルマウスを用いてトロンボポエチンとトロンボポエチン受容体(c-Mpl)の肝臓における発現量をRT-PCRで確認し、さらなる病態解明を進めることを計画している。 また、2017年7月の日本周産期新生児医学会学術集会では、早産児における高流量鼻カニューレの離脱時期に関する検討について、同年10月の日本新生児成育医学会学術集会では、正常新生児における経皮的動脈血酸素飽和度のトレンド評価についてそれぞれ発表を行い、新生児医療における臨床研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究において院内倫理審査委員会より承認され、データの集積および解析を行っており、学会発表を行っているため。また、今後の研究計画を提示し、さらなる病態解明の道筋を計画しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒトにおけるトロンボポエチンの発現量に関する検討を、サンプルデータを増やして解析したいと考えている。また、NO合成阻害薬の持続皮下投与によってSGAモデルマウスを作成し、モデルマウスを用いた新生児血小板減少症の病態解明を計画している。具体的には、トロンボポエチンとc-Mplの肝臓における発現量をRT-PCRで確認して血小板減少時のトロンボポエチンの果たす役割を解析し、トロンボポエチン受容体作動薬の投与による血小板増多作用を確認したいと考えている。
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Causes of Carryover |
試料の測定件数が当初の予定より少なかったため、次年度使用額が生じた。翌年度分は、引き続き試料の測定、モデルマウスの作成、データ解析などに使用する計画である。
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