2016 Fiscal Year Research-status Report
組織学的絨毛膜羊膜炎の早期診断バイオマーカーとしてのプレセプシンの有用性
Project/Area Number |
16K19700
|
Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
北 誠 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (50767415)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | プレセプシン / 絨毛膜羊膜炎 / 早産児 / 切迫早産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、周産期における縦毛膜羊膜炎(CAM)の早期バイオマーカーとしてプレセプシンに注目し、胎盤病理におけるCAMの重症度と血液プレセプシンの数値の相関関係について調査するものである。 研究計画は、第一段階めとして観察的記述疫学を行うため、まず病理学的縦毛膜羊膜炎(h-CAM)の重症度が切迫早産率と相関しているかどうか、当院の過去のデータより抽出し評価した。具体的に、当院の2004年4月から2010年11月までの胎盤病理データベース、周産期データベース(カルテ)より、h-CAMを合併した37週未満の群と37週以上の群(37週0日から38週6日、39週0日から41週6日、42週)を比較した。 統計解析の結果は、37週以上で出生した母児症例において、h-CAMの有無によって予後悪化の相関関係がないことから、37週未満の群でh-CAM症例群を検討する方針で良いことを確認した。よって、研究実施計画の前半部分である母児対象患者の選定において、37週未満で出生した母児症例を用い、引き続き、血液中のプレセプシン計測とh-CAMの胎盤検索は37週未満を対象とした。前半部分の検討はh-CAMと正期産、h-CAMと早産児の統計学的解析についての結果をまとめ、平成29年中に発表する予定である。その結果を基盤として、本研究であるプレセプシンと早産児の絨毛膜羊膜炎の解析を進める。 初年度要約は、37週未満の母児に関して臍帯血を採取しプレセプシンを計測する。同時に提出した胎盤病理を用い、統計的に解析するため、現在症例数を蓄積中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
分娩件数の低下。 独立行政法人京都医療センターの分娩件数は2006年から2015年までは年間平均596.1件(助産分娩率13.1%)であった。直近の5年間、つまり2011年から2015年も年間平均617件(助産分娩率12.9%)であった。 2016年、病院の方針で助産制度を中止した。結果として分娩件数が減少し、2016年度(平成28年)の分娩件数は415件であり、これまでの5年間平均の67%という予期せぬ結果を招いたため、症例の蓄積に影響が出ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
分娩件数の低下が主要因であるため 産婦人科医長と小児科医長が地域連携科を通して、産院と産婦人科開業医を訪問し、2016年度後半より紹介依頼の啓蒙を行なっており、引き続き対策中である。 症例件数が確保できれば、研究は血液検査の計測や病理学的検索に支障はないと思われる。
|
Causes of Carryover |
研究症例保存用のパソコン購入と、プレセプシンの検査キットの購入に割り当てていたが、研究初年度において、当初見込まれていた症例数が、期待していたよりもが少なかったため、次年度繰越となった。症例数が集まれば検査キットの購入に主として割り当てられる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
プレセプシンの検査キットの購入額が19,0000円のため、症例数に合わせた購入が必要である。 症例の蓄積とともに主として検査キット購入に割り当てられる。
|