2016 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性色素異常症患者の網羅的原因遺伝子探索およびその機能解析
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16K19704
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岡村 賢 山形大学, 医学部, 助教 (40637229)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝性色素異常症 / OCA / DSH / HPS / エクソーム解析 / メラニン / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的に眼皮膚白皮症(OCA)、遺伝性対側性色素異常症(DSH)が疑われ、従来の遺伝子検索で変異が同定されなかった患者(計16名)に対してエクソーム解析を施行した。その結果、Hermansky-Pudlak症候群4型, 6型, 9型(HPS4, 6, 9)の症例をそれぞれ1例ずつ遺伝学的に診断することができ、合計で3つのnovel mutationを発見した。特にHPS9は世界で第3例目,アジアでは初の症例であり、学術的意義は非常に高いと考える。また、DSH疑い症例2例において責任遺伝子であるADAR遺伝子に既報告の変異を認め、遺伝学的にDSHと診断した。 続いて、新たに診断しえたHPS4, 6, 9の患者、および過去に診断したHPS1の患者より毛髪サンプルを頂き、電子顕微鏡的・生化学的にメラニンの形態・組成を解析した。電子顕微鏡検査では、全てのHPS症例においてメラニンの数、サイズ、成熟度は低下しており、その程度はHPS1,HPS4において特に顕著であった。生化学的解析では、total melanin量は健常コントロールと比較して全例で低下していたが、HPS6では比較的保たれていた。また、全例でユーメラニンに対してフェオメラニンの比率が若干有意になっており、特にベンゾチアジン骨格のフェオメラニンは著明に上昇していた。ベンゾチアジン骨格のフェオメラニンの量はHPS1症例で最も高く、その次にHPS4症例で高かった。HPS1遺伝子, HPS4遺伝子は共にBLOC-3のサブユニットをコードする遺伝子であり、BLOC-3の機能不全により肺線維症や肉芽腫性大腸炎など致死的な合併症を引き起こされることが知られている。本研究におけるメラニンの形態学的観察、生化学的解析結果はBLOC-3のメラニン生合成、輸送における重要性を強調するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りエクソーム解析を施行し、HPS4, 6, 9の症例をそれぞれ1例ずつ新たに診断することができた。ただ、解析した半数以上の症例は既に報告のある遺伝子座に変異がみつからず、候補遺伝子が多数あるため、未だに絞り切れていないのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
今回はほとんどの症例で発端者のみを対象にエクソーム解析を施行したため、情報量がやや足りない。両親の検体や他の症例を追加で解析して情報量を増やしたい。 またOCA疑い症例において、珍しいサブタイプの原因遺伝子座に病的変異が1つのみ同定された症例もあり、遺伝子調節領域における遺伝子変異の検索も行う予定である。遺伝子調節領域において有力な変異を認めた場合は、ルシフェラーゼレポータアッセイやゲルシフトアッセイなどで機能解析を行いたい。
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Research Products
(1 results)