2016 Fiscal Year Research-status Report
毛包由来ヒト3D表皮-免疫ディバイスを用いたヒト皮膚炎モデル解析法の確立
Project/Area Number |
16K19707
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中野 倫代 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20645634)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 皮膚免疫学 / 炎症学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト表皮3Dモデルでは、使用する表皮角化細胞と導入する免疫担当細胞の由来する個体が異なるため、MHCを介した抗原提示の解析には適さないという問題点があった。また、マウスを用いたモデルでは病原微生物に対する宿主免疫応答を解析したモデルは多数報告されているが、感染実験という研究の特性上、ヒト皮膚において病変微生物に対する応答を表皮角化細胞と免疫担当細胞を複合的に解析すつ手法は確立されていない。我々の研究室では、最近、ヒト毛包由来の3D表皮モデルを確立した(Nakano M, et al. Exp Dermatol. 25: 903-6. 2016)。このモデルの利点は数本の抜毛という、低侵襲性なモデルから3D表皮ディバイスを作成できるというところにある。この利点を活かし、同一個体からの、表皮角化細胞と採血により得られる抗原提示細胞を用い、MHCを介した免疫応答を解析することを本研究の目的としている。本年度はまず、3D表皮ディバイス内への自己および非自己から得られたLangerhans細胞の導入法樹立するため、ヘパリン採血によって得た健常者末梢血をFicoll比重分離行い、末梢血単核細胞分画を採取した。採取した末梢血単核細胞から、CD14+単球をCD1d-,CD14+のMACS(Miltenyi Biotech社)単離システムをもちいて単離し、Langerhans細胞への分化を試みた。平成28年度は、以上のように主に免疫応答解析のための新規ディバイスの最適化を行う基礎的な部分を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度内にLangerhans細胞の表皮内への導入モデルを樹立する予定であったが、現在までに、分化した細胞を3D表皮内への定着が確認できていないため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、3D 表皮-免疫ディバイスを回収し、組織をCD45,CD1a,CD207,HL-DR 等で免疫染色を行い、正常表皮同様に2-4細胞/mmでLangerhans様の細胞が誘導されていることを確認する。確認できた後に、当初の予定通り、種々の刺激(Niなどの接触皮膚炎を起こす物質やS. aureusやC. albicansなどの病原微生物暴露)を加えてその応答を確認する。
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