2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K19717
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武市 拓也 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30754931)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 皮膚遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遺伝性角化症の包括的病態解明を目指し、新規オーダーメイド治療に直結する基礎的データを得ることである。平成29年度の計画は、引き続き、既存の遺伝子変異がない遺伝性角化症患者のgDNAを用いて、新規遺伝子を同定することと、角化症モデルマウスを作製すること、そして、角化症モデルマウスを用いて、in vivoでの各種薬剤の効果と副作用の発現を検証する、というものであった。 研究計画に基づいて、既存の病因遺伝子変異のない遺伝性角化症の10症例と、非罹患血縁者のDNAを用いて、まず、表現型がはっきりしている症例、遺伝形式が推測しやすい家系、血縁者の検体を多く収集できた家系を3家系抽出し、罹患者のgenome DNAを用いて、全エクソームシークエンス法を行った。同定された新規病因遺伝子と、既存の遺伝子変異を持つ患者の表現型を比較して、その相違点を包括的に分析した。そして、集積された遺伝性角化症患者を、遺伝子型に基づいて分類し、使用されている薬剤を調べ、薬効について検討した。上記研究の成果として、角化異常症(道化師様魚鱗癬様の重症魚鱗癬、または、掌蹠と肛囲に限局する角化症)に血小板減少症を伴う、新規の症候群の病因遺伝子がKDSRであることを解明した。KDSR遺伝子にコードされる3-ケトジヒドロスフィンゴシン還元酵素は、セラミド新生合成経路における重要な酵素の一つで、今回の発見により、セラミド新生合成経路の遺伝子変異によって、角化異常だけでなく、血小板減少が引き起こされることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、モデルマウスの作製を進めている。マウスの繁殖困難等の問題があり、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、複数の角化症モデルマウスを用いて、in vivoでの各種薬剤の効果と副作用の発現を検証する計画である。
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Causes of Carryover |
研究協力者が他大学へ異動になり、多忙のため研究に参加することが困難になった。そのため、機能解析目的の細胞実験等を研究代表者が遂行してきたが、当初の計画より実験に時間を要し遅延が生じた。 今後、モデルマウスを含めた機能解析を進め、成果の取りまとめを行う。具体的には、マウス表皮の脂質解析や、電子顕微鏡解析、成果発表の旅費等の費用として使用予定である。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Biallelic Mutations in KDSR Disrupt Ceramide Synthesis and Result in a Spectrum of Keratinization Disorders Associated with Thrombocytopenia.2017
Author(s)
Takeichi T, Torrelo A, Lee JYW, Ohno Y, Lozano ML, Kihara A, Liu L, Yasuda Y, Ishikawa J, Murase T, Rodrigo AB, Fernández-Crehuet P, Toi Y, Mellerio J, Rivera J, Vicente V, Kelsell DP, Nishimura Y, Okuno Y, Kojima D, Ogawa Y, Sugiura K, Simpson MA, McLean WHI, Akiyama M, McGrath JA.
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Journal Title
J Invest Dermatol.
Volume: 137
Pages: 2344-2353
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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