2017 Fiscal Year Annual Research Report
the elucidation of complication mechanism in patients with recessive dystrophic epidermolysis bullosa (RDEB)
Project/Area Number |
16K19724
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
天田 藍 (梶田藍) 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80770320)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表皮水疱症 / Toll様受容体 / IL-6 / SAA |
Outline of Annual Research Achievements |
重症の表皮水疱症患者ではしばしば腎不全やアミロイドーシスなどの重篤な合併症がみられる。我々は劣性栄養障害型表皮水疱症(RDEB)患者では健常人,アトピー性皮膚炎患者または乾癬患者と比較して有意に血清中IL-6,SAAの値が上昇していることを見出した。加えて,3 人のRDEB患者を5年間フォローしたところIL-6とSAAの高値は持続していた。 次に我々はRDEB患者におけるIL-6とSAAの産生源の一つは皮膚であるという仮説を立てた。RDEB患者は広範囲に皮膚びらん・潰瘍を有しており,その周囲の角化細胞および線維芽細胞は表皮バリア欠損のため微生物由来のPathogen-associated molecular pattern(PAMP)や損傷細胞由来のdamage-associated molecular pattern(DAMP)によって常に刺激されていることから,我々は正常ヒト表皮角化細胞(NHEKs)と正常ヒト真皮線維芽細胞(NHDFs)をToll様受容体(TLR)のリガンドで刺激した。その結果,NHEKsではPam3CSK4(TLR1/2),poly(I:C)(TLR3),flagellin(TLR5),MALP2(TLR2/6)が,NHDFsではPam3CSK4(TLR1/2),MALP2がIL-6とSAAの発現を有意に増強した。これらの発現誘導はすべてNF-kBを介していた。さらにSAAは両細胞においてIL-6およびSAAの発現をTLR1/2を介して増強することを見出した。これらの結果はRDEB患者における広範囲の慢性皮膚びらん・潰瘍がTLRを介して血清中IL-6とSAAの値を上昇させ,アミロイドーシスのリスクを増加させることを示唆する。
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Research Products
(1 results)