2016 Fiscal Year Research-status Report
HDAC阻害剤の併用療法のターゲットとしてのMAPKシグナル経路の可能性
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16K19732
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
指宿 敦子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (10596109)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HDAC阻害剤 / MAPK / キナーゼ活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度はHDAC阻害剤がMitogen-activated protein kinase(MAPK)を始めとするキナーゼ活性に与える影響に関して解析を行った。 Belinostat, Vorinostat, Romidepsinの3種のHDAC阻害剤とHH、Hut78、MJの3株を用いて、細胞をHDAC阻害剤で刺激することによりMitogen-activated protein kinase 1(MAPK1)をはじめとするチロシンキナーゼ活性にどのような影響を及ぼすのかアレイを用いて解析を行った。 Hut78では全ての薬剤でMAPK1のある特定の箇所のチロシンのリン酸化が亢進していたが、MJでは逆にリン酸化の亢進は全ての箇所で認めなかった。HHに関してはBelinostatとRomidepsinでMAPK1の複数の箇所のチロシンのリン酸化の亢進を認めたが、Vorinostatでは変化は認めなかった。上流のキナーゼであるRAF proto-oncogene serine/threonine-protein kinase (cRAF)に関しても検討を行ったが、全てのHDAC阻害剤、細胞株の組み合わせでリン酸化の亢進は認めなかった。 他のMAPK経路に関しても解析を行ったが、C-Jun N-Terminal Kinase 3は全ての組み合わせで変化を認めず、MAP kinase p38 alphaもBelinostatの刺激でHHにおいて亢進しているのみであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたSAHAとMAPK経路阻害剤の併用効果について確認ができた。相乗効果についてはさらに検討が必要であるが、当初予定していなかったMAPKのチロシンキナーゼ活性についても解析を終了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は28年度の結果を元にHDAC阻害剤とMAPK阻害剤を併用した場合にどのようなメカニズムで抗腫瘍効果を増強させるのか、相乗効果の有無とキナーゼ活性の変化に関連があるのか解析を進める。
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Research Products
(5 results)