2016 Fiscal Year Research-status Report
Anti-inflammatory effect of Maresin 1 on skin inflamation
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16K19744
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
澤田 雄宇 産業医科大学, 医学部, 講師 (40551867)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Maresin 1 |
Outline of Annual Research Achievements |
オメガ3脂肪酸は主に魚油から摂取される脂質である。オメガ3脂肪酸における抗炎症効果については様々な報告がされているが、その詳細なメカニズムについては依然として不明な点が多い。そのなかでも、Maresin 1はドコサヘキサエン酸由来の脂質メディエーターで抗炎症作用を有していることが知られているが皮膚炎については不明であった。本研究では、様々な皮膚炎モデルにおいてMaresin 1が抗炎症効果を有しているか検証する。 接触皮膚炎モデルにおけるMaresin 1の効果を検討すると感作相において抑制効果を確認した。また、Maresin 1投与により感作後の所属リンパ節におけるエフェクターT細胞が減少しているため、膠原特異的反応を減弱していると考えられた。 乾癬モデルにおいてMaresin 1は抗炎症効果を有していることを確認した。Maresin 1の投与により皮膚におけるIL-17の発現が低下していることを確認しているため、今後は、in vitro実験において詳細な作用メカニズム解明を進めていくことを考えている。具体的には、IL-23の産生にかかわる細胞として樹状細胞、また、IL-17産生細胞であるγδT細胞への作用について検討を行うことを予定しており、骨髄細胞から樹状細胞を誘導し作成した骨髄由来樹状細胞から産生されるIL-23が、Maresin 1で抑制されることをELISAもしくはPCRにて検討を行う。また、Maresin 1のIL-17産生への影響を評価するため、皮膚に存在する細胞を回収し、IL-17産生がMaresin 1で抑制されていることをフローサイトメーターを用いて検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在接触皮膚炎モデル並びに乾癬モデルにおいてMaresin 1が皮膚炎減弱に作用することを確認している。したがって、残りの研究期間を用いてin vitroでの作用機序解明に注力できるため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
生体内におけるMaresin 1の作用点を確認しており、今後はin vitro実験にて詳細な作用機序のメカニズム解明を行う。IL-23の産生にかかわる細胞として樹状細胞、またIL-17産生細胞であるγδT細胞への作用について検討を行うことを予定している。具体的には、骨髄細胞から樹状細胞を誘導し作成した骨髄由来樹状細胞から産生されるIL-23が、Maresin 1で抑制されることをELISAもしくはPCRにて検討を行う。また、Maresin 1のIL-17産生への影響を評価するため、皮膚に存在する細胞を回収し、IL-17産生がMaresin 1で抑制されていることをフローサイトメーターを用いて検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はMaresin 1の抗炎症効果について、接触皮膚炎モデルならびに乾癬モデルについて検討を行い、in vivoでの効果を確認したが、研究の遂行がおおむね順調に進み、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はin vitroでのMaresin 1の詳細な作用メカニズム解明を行うため、次年度使用額を用いて作用点を明らかにするため、試薬購入に充てることとした。 具体的には、Maresin 1が炎症性サイトカインであるIL-17の産生を抑えることを確認するため、皮膚から採取した細胞を用いて、Maresin 1が皮膚におけるIL-17を産生する細胞であるγδT細胞などを用いて検討する。
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