• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Research-status Report

統合失調症患者における脳内コンドロイチン硫酸鎖とペリニューロナルネットの変化

Research Project

Project/Area Number 16K19753
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

湯川 尊行  新潟大学, 医歯学総合研究科, 非常勤講師 (40761151)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords統合失調症 / 死後脳 / コンドロイチン硫酸プロテオグリカン / ペリニューロナルネット
Outline of Annual Research Achievements

パルブアルブミン陽性抑制性GABA神経細胞の細胞体や軸索周囲に発達している網状の構造は、ペリニューロナルネット(perineuronal net:PNN)と呼ばれ、統合失調症をはじめとした精神疾患との関わりが注目されている。PNNの主要な構成成分であるコンドロチン硫酸プロテオグリカン(chondroitin sulfate proteoglycan:CSPG)と、その部分構造であるchondroitin sulfate(CS)鎖は神経可塑性の制御作用、神経保護作用、神経栄養作用などの重要な働きを持つことが知られており、これらの働きは統合失調症の病態生理と関わりが深いと考えられている。
本研究は、統合失調症の病態生理と脳内CS鎖、PNNの関連を解明するため、統合失調症患者死後脳の前頭前野、海馬、尾状核領域におけるCS鎖の発現変化およびPNNの分布変化を明らかにすることを目的としている。
当該年度は、ウエスタンブロット法を用いて、統合失調症患者と正常対照者の死後脳の、前頭前野、海馬、尾状核におけるCS鎖の発現変化を比較検討した。結果として、海馬において一部のCSPGのCS鎖シグナルに有意差を検出した。
本研究により解明された統合失調症患者の海馬におけるCS 鎖発現の変化に関する知見が端緒となり、今後、その変化の病理学的意義が動物実験などから解明され、統合失調症の診断および予防・治療に有用な知見が得られる可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ウエスタンブロット法を用いて、統合失調症患者と正常対照者の死後脳の、前頭前野、海馬、尾状核におけるCS鎖の発現変化を比較検討した。結果として海馬において一部のCSPGのCS鎖シグナルに有意差を検出した。

Strategy for Future Research Activity

抗精神病薬を慢性投与した動物の死後脳を用いて、CS鎖の発現をウエスタンブロット法で解析し、ヒト死後脳でのデータと比較検討する。
さらに、上述の半定量的神経化学的実験に加えて、統合失調症患者の固定死後脳や抗精神病薬を慢性投与した動物におけるCS鎖やPNNの分布変化を免疫組織化学的手法も用いて分析していく予定である。

Causes of Carryover

平成28年度の支出は、予定額よりも少ない支出になった。実験のための消耗品として、バッファー類作製試薬、ウエスタンブロット検出試薬、免疫組織化学染色試薬、酵素類、各種抗体、および多量のプラスチック類(チューブ類、チップ類など)が必要となり、それぞれ必要量を計上していた。概ね当初の予定どおりの支出であったが、消耗品類については、予定使用量と実際の使用量に誤差が生じたため、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度は、実験のための消耗品の購入に加え、国内学会での発表と研究成果の論文投稿を予定しており、旅費および英文校正費の使用も予定している。

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi