2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study for the establishment of novel treatment for depression, based on the mechanism of exercise-induced antidepressant effects
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16K19764
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 誠 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50633012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | うつ病 / 運動 / セロトニン受容体 / 海馬神経新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、運動がもたらす海馬神経新生増加や抗うつ効果についてマウスを用いて検討を行い、セロトニン3型受容体(5HT3受容体)が必須の役割をしていることを明らかにした。本研究では、まず、アゴニストを用いて5HT3受容体を活性化した時の、マウスのうつ行動や海馬神経新生に与える影響について、既存の抗うつ薬SSRIの効果と比較して検討を行った。その結果、5HT3受容体を介する海馬神経新生の増加および抗うつ効果は、SSRIと異なる作用メカニズムによることを明らかにした。一方、SSRIによる海馬神経新生促進効果や抗うつ効果に、5HT3受容体は関与していないことを示した。我々はさらに、in situ hybridization法及び免疫組織学的手法により、5HT3受容体が海馬歯状回において、顆粒細胞下帯の神経細胞に多く発現していることを明らかにし、5HT3受容体発現細胞は、神経栄養因子IGF1(insulin-like growth factor 1)を産生していることを見出した。続いて、in vivoマイクロダイアリシス法を用いて、5HT3受容体アゴニストは海馬のIGF1分泌を促進することを見出し、さらに、IGF1受容体阻害薬を用いた検討により、5HT3受容体を介する海馬神経新生にはIGF1シグナル経路が関与していることを明らかにした。 以上の研究により、マウスに5HT3受容体アゴニストを投与すると、海馬のIGF1分泌が促進され、IGF1シグナル経路を介して海馬歯状回における神経幹細胞の分裂・増殖が促進されて神経新生が増え、既存の抗うつ薬SSRIと異なる機序で抗うつ効果が得られることを見出し、うつ病の新たな治療メカニズムを明らかにした。 本研究成果は、運動による抗うつ効果に基づいた、5HT3受容体を標的とするうつ病の新たな治療薬の開発に繋がると考えられ、将来、うつ病治療への貢献が期待できる。
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Remarks |
研究成果の報道:朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、日刊工業新聞、時事通信、共同通信、東京新聞、中日新聞、産経ニュースなど多数
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