2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of methylation of APP gene in Alzheimer's disease and Down syndrome
Project/Area Number |
16K19770
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森 蓉子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (30646245)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / ダウン症候群 / DNAメチル化 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病は現在、65歳以上の5人に1人が認知症と言われる我が国において早期診断を確実に行うことが求められる疾患の一つであるが、現在のところ簡便で確実な検査は存在しない。一方、ダウン症候群は21番染色体トリソミーに起因するが、40歳頃から認機能障害を認めることが知られており、病理学的にはアミロイドβの蓄積や神経原線維変化など、脳内でアルツハイマー病と同様の変化が起きていることが知られている。若年性・遺伝性アルツハイマー病を引き起こす遺伝子として知られるAPP遺伝子は21番染色体に存在しており、アルツハイマー病の原因なる脳内異常蛋白であるアミロイドβはこのAPP遺伝子に起因する。アルツハイマー病と共通の病理をもつダウン症候群に着目し、APP遺伝子プロモーター領域におけるDNAメチル化解析を行い、年齢による変化や心理学的検査の結果等との関連を検討することとした。 ダウン症候群群(DS群)5名、コントロール群(DS-C群)6名を対象とし、APP遺伝子プロモーター領域のうち2領域の合計27か所のCpGサイトについて、パイロシークエンス法を用いてDNAメチル化解析を行った。また同時に全血より抽出したmRNA におけるAPP遺伝子の発現についてreal-time PCR法で解析を行った。 全てのCpGサイトにおいてDS群でメチル化割合が高い傾向にあった。また、各群においてDNAメチル化割合は年齢と正の相関をとる傾向がみられた。APP遺伝子mRNA発現はDS群で有意に高かった(p<0.01)。 アルツハイマー病群(AD群)25名、コントロール群(AD-C群)24名でメチル化割合の解析を行ったが有意差はなかった。AD群やAD-C群においてはメチル化割合と年齢やMMSE(Mini Mental State Examination)の間で有意な相関は認めなかった。
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