2016 Fiscal Year Research-status Report
薬剤性パーキンソニズムにおけるシナプトタグミンファミリーの関与についての研究
Project/Area Number |
16K19775
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
林 岳宏 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40747151)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 薬剤性パーキンソニズム / シナプトタグミン |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症治療において、神経伝達物質ドパミンに拮抗作用のある抗精神病薬の有効性が確かめられている。有害事象としてパーキンソニズムが問題になるが、その程度には個体差がある。本研究では、シナプトタグミンファミリーの遺伝子変異解析を通して、薬剤性パーキンソニズムにおける個体差発生機構の解明を試みることを目的としている。具体的には、低用量の抗精神病薬を内服中に顕著なパーキンソニズムを呈した統合失調症患者約100名を対象とし、Synaptotagmin Ⅰ~XV 遺伝子の上流領域を含めた全エクソンのリシークエンシング解析を行い変異の有無を検討する。申請者は、健常人と抗精神病薬服用中の統合失調症患者からの採血とDNA抽出を部分的に終え、シナプトタグミンファミリーの遺伝子に関するリシークエンシング解析と変異の有無の検討を行い始めている。しかし、未だ特異な変異の発見には至っていない。中には、共通の染色体異常を有しながら統合失調症を発症し、抗精神病薬の有害事象であるパーキンソニズムに個体差が見られた症例群も認めている。今後は、更なるDNAサンプルの収集と共に、シナプトタグミンファミリーの遺伝子の解析を行っていく予定である。Taqman probe を用いた定量的PCR 法により、CNV 解析を含めた変異解析も行う予定である。また、抗精神病薬の用量や背景にある基礎疾患にも着目しつつ、解析の結果と抗精神病薬の有害事象との関連を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者は、健常人と抗精神病薬服用中の統合失調症患者からの採血とDNA抽出を部分的に終え、シナプトタグミンファミリーの遺伝子に関するリシークエンシング解析と変異の有無の検討を行い始めている。しかし、未だ特異な変異の発見には至っていない。解析には、多大な労力と時間がかかっている。低用量の抗精神病薬を内服中に顕著なパーキンソニズムを呈した統合失調症患者をサンプル対象と設定しているが、他の内服薬や合併症を考慮すると、さらにサンプルを収集する必要があり、研究計画の一部の見直す必要が生じた。そのため、研究の実施は当初の計画に比べてやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、更なるDNAサンプルの収集を行いつつ、シナプトタグミンファミリーの遺伝子の解析を進めていく。また、Taqman probe を用いた定量的PCR 法により、エクソンの欠失や重複変異の有無についても解析を行っていく予定である。
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